観劇のために遠出するのは自粛していたのですが、1度出かけてしまうと勢いづいて2度3度……旅かけて舞台を観ることの楽しさに目覚めてしまいました。
ホント楽しい。出かけた分だけ、楽しさが増す気がします。
去る、関東の温泉施設の昼公演。
お客さんでいっぱいだった休日、一夜明けての平日の大宴会場は、3分の1くらいの入りだったでしょうか。
地元の常連の高齢の方々が、まったりと和むなか、幕が開きました。
お芝居は喜劇で、「お嬢吉三」が、身投げしようとした若旦那(ちょっと間の抜けたお人よし)を助けるお話。
悪い親分とその子分、若旦那の「美人妻」など、三者三様に面白く、笑いを挟みながらテンポよく進み、場面転換もお芝居が途切れることなく進行、すぐに次の場面ができていて、この劇団さんはいつもながらすごいなーと、感動しながら観ていました。
「盗人の俺ぁ、いずれはどこかで御用の身だ。身より頼りもねえ。俺が死んだと風の便りで聞いたなら、馬が蹴り上げた泥水でもいい。折れた線香の1本でもいいから、手向けてやっておくんない..」
そんなお嬢吉三のセリフを聞きながら、涙が出ました。
(そないに泣くところじゃないんですが^^;)
笑いをとりながら演っていても、このセリフの瞬間、ガラッと、まるで日が落ちたかのように瞳に陰が現れ、その人物が抱えている心の闇が浮かび上がる。
舞踊ショーでは、座長の歌で、涙が出てしまい。
いつもながら座長の歌いっぷりは、、、勝手な連想ですが、昔の男のようだと。
田舎町のスナックで、おむもろにマイクを持って、腹から絞り出すような声で歌う、普段は無口な男。
昔、父の周りにいた、無頼なオッチャンたちを、思い出されてならない。
”東京発、北国へ・・・”
振り切っても、振り切っても、まとわりつく寂しさ。
低い低い声の、少し上ずったコブシ回しに酔わされる。
わたしよりまだまだお若いこの方が、胸が痛くなるような遠い昔の空気をまとってるのは、なんでだろうと……不思議でなりません。
温泉施設の、まったりとした平日の昼公演。
1年365日ほぼ毎日ある舞台の中では、きっと、きっと、ナンテコトナイ1日が、はるばる訪ね来たわたしには、かけがえのないひととき・・・なのです。











