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"大衆演劇(旅芝居)の在る状態"が好きなので

死んだらあかん 近江飛龍劇団「愛の終着駅」より

何をするのも中途半端、ふわふわと、ノリだけで生きてきたような人間だから、失敗だらけで、無自覚に人を傷つけてもきたと思う。

そんな酷い人間でも優しくしてくれる人がいて驚く。ほんとうにびっくりしてしまうほど、情け深くて。分け隔てなく理由も問わず懐に入れてくれるので、泣いてしまう。

 

先日、近江飛龍劇団のお芝居「愛の終着駅」を観ました。

一幕一景の現代劇。

幕開け、舞台は「山田」という田舎の駅。

売店があり、世話好きのオバちゃん(近江飛龍)がいる。

女房に逃げられて赤ん坊を一人で育てている荷運び人足のせいさん(橘小虎丸)の赤ん坊を、せいさんが仕事のあいだ預かってやる。

(いるいる、こんな人。面倒見がよくて、あったかくて)
これまで世話になった人たちが、走馬灯のように頭の中を駆け巡る・・・

しばらくして、一人の身なりの良い女性(近江春之介)がやって来る。大阪行きの最終電車は出てしまったので、帰れなくなった様子。この辺りには泊まるところもない。途方にくれる女性に、オバちゃんは「うちでよかったら泊まっていき」と誘う。

「いいんですか」

「ええよええよ。遠慮しんと」

女性の名は藤原紀香(笑)。夫に捨てられこどもも病気で亡くし、もう死ぬしかないと思ってここに来たんですと言う。

その言葉に陽気なオバちゃんはサッと顔色を変える

「死んだらアカン!!死ぬなんて、言うたらアカンよ!」

・・・このセリフにわたしはだーだー泣いてしまいました(またかいってね)。

 

喜劇で、お腹の皮がよじれるくらい笑うお芝居なのですが、こういう場面がちゃんとあるのでたまりません。 

 

どなたかが言ってはった

「いっぺん死ぬ思いをした人間にしかできない演技がある」と。

 

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大衆演劇・旅芝居のお芝居ではしょっちゅう人が死ぬのですが(^^;

でも

すべてのお芝居は「死んだらアカン!」と叫んでいるのだと思うのです。

 

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