chomoku

"大衆演劇(旅芝居)の在る状態"が好きなので

まずい声の、抱きしめてくれる歌

「最後にあの歌、歌ってくれねえか」

「ああわかったよ。まずい声だが、聞いてくれるかい」

そう言って、おむもろに歌いだすーー

お芝居の大詰め、こんな場面に出会うことがあります。

「まずい声だが・・」のあたりで、早くも涙が出てしまいます。


歌うことしかできない者、

そしてそれを聞くことしかできない者。 


「まずい声だが・・・」が出ると、寂しい結末になることが多いです。

うんと悲しいメロディを持ってきて、さあ泣け〜って、フッフッフ、その手には乗らん・・・? それでも、もう歌うしかないだろうときがある。歌でもないと辛すぎるときがある。

「まずい声の歌」ほど、泣いてしまう。その気持ちを、歌が、抱きしめてくれもする。

 

SAKANAという大好きなバンドにこんな歌があります:

Mr. Love Singer & Love Song Writer

バラの花束のようなメロディーと綿菓子のような

声は持っていない はきつぶされた

手入れの行き届かないブーツみたいにかすれている

でもなぜか嬉しくなるよ あの声が聴こえてくると

("Mr. Love Singer" 詞曲 Pocopen / SAKANA “LOCOMOTION”)

 

「まずい声で」と、役者さん方は言われるのですが、みなさんめちゃめちゃうまい!です。

「しょせん役者が歌う歌ですよ」笑いながらおっしゃる方がありました。

 

今宵も「まずい声ですが…」と、1曲。

聴こえてくると嬉しくなる。

それは、わたしみたいなまずい者でも抱きしめてくれるような、 素敵な歌、なのです。

  

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