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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年11月20日夜の部 浪花劇団@座三和スタジオ お芝居「木曽節お銀」

大衆演劇 浪花劇団

11月20日 日曜夜の部 お芝居は「木曽節お銀」
過去に1度見たきり、また見たかったのでやっと当たって嬉しい~

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舞踊ショーから 「小林旭メドレー」
浪花成馬さん タイガー一心さん 浪花勘太郎さん 浪花しめじさん 若手4人衆

あらすじ(冒頭のみ)と配役

木場の政五郎と元深川の芸者お銀の巡り合いを描いた時代人情劇。
1幕2景、1時間15分。(以下聞き取りメモより 名前の漢字は当て字です)

(配役)

  • お銀 浪花めだかさん
  • 木場の政五郎 近江新之介座長
  • 源(お銀の恋人) 浪花勘太郎さん
  • お銀の父 大川龍子さん
  • 板前巳之吉 三枡ゆたかさん
  • 女中おまつ 蛇々丸さん
  • 女中おきみ 浪花しめじさん
  • 木場の若いもん タイガー一心さん、浪花成馬さん、浪花しめじさん(2役)


舞台は木曽の料亭ひさご。元深川芸者のお銀は、木場の政五郎に身請けされて、ここの女将として暮らしている。お銀は店の経営に身を入れず、真面目に働く板前の巳之吉や女中おきみにきつくあたるばかりか、源という素行の良くない男と恋仲になり、遊んでばかりいる様子。見かねた父親が注意をするも、ここはお銀のお店。自分のやり方が気に入らないなら出て行けと言われたら言い返せない。女中のおまつはお銀に取り入ろうと源との仲だちを買って出る。

木場の政五郎親方がやってきた。いつもより早い木曽入り。将軍様に祝い事があり、建屋の注文が入ったため、急きょ材木の買い付けにやってきたという。「お銀の歌う木曽節を聞きたくてな。いるかい」店の奧にお銀が源を連れ込んでいるという、間の悪いところに。

そこでお銀の"不貞"を訴える板前と女中。ところが、政五郎はお銀に腹を立てるどころか「お前たち朋輩がどうして主人のお銀をかばってやらぬ」と彼らを叱る。政五郎の思いとは。お銀と源は。

 

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政五郎役 近江新之介座長

 

感想など 業界の大物政五郎VSギャルお銀

木場の政五郎と言えば1といって2と下がらない大親分。将軍家から建築の仕事を引き受ける立場で、材木を扱っているところから、今でいうゼネコンの大物?になるのでしょうか。年をとったとはいえ、まだまだ江戸の実力者、若き日の凄腕をにじませる静かな迫力の持ち主という役を、新之介座長が演じます。

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「木曽のお山」を行く道中、足をくじいたと、足を引きずり、杖をカツンカツン鳴らしてやってくる。ほんまに怪我をしたのかと思ってしまいました。「じい様」役があまりにも違和感なくて、送り出しでも気づいてもらえないことも多いそう。わかります…笑←スミマセン 


めだかさん演じるお銀。頭に大きな「お団子」を結いあげ、ほつれ髪と前髪をバサバサっと鳥の尾を広げたような斬新な髪型。白地に大柄の入った着物を着て、おきゃんな感じですごく可愛いんです。今でいうと「ギャル」でしょうか。

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お銀役 浪花めだかさん


都会っ娘が田舎に連れて来られて「面白くないね!」(この言い方が可愛い)と、ふてくされているところに、ちょっと遊び慣れている風の相手が見つかった。それが源。寂しい心を埋めてくれた。気まぐれで楽しいことが好き。下駄の音カラコロ、「あーあ」とつくため息もふわふわして。

そんなお銀を、政五郎は少しも責めることなく、こう言うのです「幸せになるんだぞ」と。深い息で。
ここ、ドキン、としました。そして「えっ?」となる。 
お銀も、政五郎の言葉に驚き、我に帰るのですが・・・

 

木曽のお山にひとすじの歌

前半は、蛇々丸さん演じるおまつ(女形!)がおどけ役で、政五郎とバトル、笑う場面を。後半は一気に暗転。第2景の木曽の山中、激しい立ち回り。めだかさんと勘太郎さんの「死闘」これでもかという「型」の応酬。

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「源さん」役 浪花勘太郎さん 都会にいるような"遊び人"ふうでどこか寂しげ
政五郎に「山猿」と言われて憤慨する 彼もまた訳ありな男なんやろう

 

追ってきた政五郎の独白でクライマックスへ。

政五郎が、なぜお銀を身請けしたのか。。。胸に迫りました。

雨の中、政五郎が聞きたがっていたお銀の歌う「木曽節」の、うつくしいこと。
悲しく、でも、すべてを洗い流すように、清々しく響くーー

幕が閉じてもしばらく「この後どうなるんだろう」と考えてしまう、余韻の続くお芝居でした。

 

女性が許されるお芝居

「木曽節お銀」は初代明石たけ代さんが立てられたお芝居で、オリジナルとのこと。なんと「安来のお仙」に続いてこちらも初代明石たけ代さんでしたか。大衆演劇ではなかなかないタイプのお外題だと思います。女性への視線の向け方。女性が許されるお芝居です。「そのままのお前で良い」と肯定され、許され、その果てに、お銀という娘のまっさらの心が現れるーー。

と、これはわたしの勝手な想像で、お芝居ではそんなことは一言も語られていない。完璧ではない、瑕疵も少々、むしろラフでヤンチャなお芝居。そこが好きなところなのですが。

 

"意識しなくても、作品は社会的発言をするものなのだ"

画家の横尾忠則さんの言葉です。

プロパガンダ的なことは絵の中にいっさい入れない。だが、見る人によって絵自体が作家から自立して何らかの発言をしているかもしれない。同じ絵を見ても、人によってとらえ方は違う。それでいい。僕は個人的に妥協しないで生きていく。そのプロセスで絵ができる。それで十分。

つまり意識しなくても、作品は社会的発言をするものなのだ。ポール・セザンヌがよくリンゴの絵を描き、パブロ・ピカソがしばしば裸の女性を描いているが、その絵が世界の歴史を変えたり、個人の意識革命にかかわったりしている。たった一個のリンゴや一人の女性を描いた芸術がそれなりの役割を果たす。(インタビュー「芸術作品は社会的発言をする」より)

 

また、古い映画などがそうであるように、大衆演劇のお芝居もまた時を経るほどに図らずも「意味」が付いてくるのですよね。

その時代にしかないものが「保存」されているから(清濁虚実混在して)。

だから、すごい。図らずも、というところが、すごいと思うのです。

「木曽節お銀」から、木曽と江戸の関係などを想像するのも楽しい。政五郎が「木曽のお山」と、「お」をつけて呼ぶのも、木場の人が"山"に対して敬意を払っていたのかと想像できますし、知ってて当たり前のようなこともまるで知らず、いちいち驚き、勉強不足で恥ずかしい限りですが、すんごい新鮮で楽しい。学び方として楽しい。やっぱお芝居で授業ができるわ〜と、一人盛り上がるのでした。

 

 

以下、舞踊ショーから

蛇々丸さん「追分鴉」
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変顔おまつから一転 激渋、板の上を流れるように
アップテンポな展開含む ドラマティックな1本 

 

大川龍子さん

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大衆演劇界のアレサ・フランクリン(と勝手に呼んでます)

 

タイガー一心さん「銃爪」

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化粧も見るたびに進化して綺麗やなあと思う びっくりの11歳

 

ラストショー「神奈川水滸伝

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ざちょう〜〜っ

またまた壮絶な立ち回り 10分超える長いショー

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 大入りの手打ちで幕

いつも良い示唆をいただいてます ありがとうございます 

 

浪花劇団@座三和スタジオ 2016年11月公演

11月29日お昼の部まで
お昼の部12時から 夜の部17時半から
木戸銭1600円(前売り1300円)
座三和スタジオ
尼崎市神田中通6丁目210-4
電話:06-6412-4480

阪神本線「尼崎駅」から徒歩10分
国道2号線昭和通り交差点」すぐ

劇場の詳細は以下の「カン★ゲキ」の案内ページをごらんください

座 三和スタジオ | KANGEKI(カンゲキ)

 

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