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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年10月20日 森川劇団@浪速クラブ 二代目梅澤秀峰襲名披露公演 お芝居「赤尾の林蔵(人斬り林蔵)」

森川劇団 二代目梅澤秀峰(森川長二郎さん)襲名披露公演へ
(*ブログへの写真掲載について座長の了承をいただいています)
なんと最前列に座らせてもらう 口上挨拶は近すぎて全景入らず

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(↑この辺りに進行役の小泉たつみ座長がいはりました)

 

お芝居は「赤尾の林蔵」(人斬り林蔵)でした

あらすじ(冒頭のみ)と主な配役

島送りの刑から10年、務めを終えて帰ってきた「人斬り林蔵」こと上尾村の林蔵と屋根屋一家との対決を描いた時代任侠劇。1幕4景、1時間10分。

 (主な配役)

  • 林蔵:二代目梅澤秀峰(森川長二郎)さん
  • 林蔵の身内 勇蔵:浅井正二郎座長(蓬春座)
  • 屋根屋庄五郎:みやま昇吾後見(劇団芸昇)
  • 屋根屋一家身内:森川竜馬座長・森順平さん・皐月竜馬座長(劇団侍)
  • 助っ人の先生:大日方満後見(満劇団)
  • 清水の次郎長:小泉たつみ座長(たつみ演劇BOX)
  • 次郎長一家 小政:小泉ダイヤ座長(たつみ演劇BOX)
  • 次郎長一家 三五郎:浅井雷三座長(蓬春座)
  • 次郎長の妻お蝶:嵐山瞳太郎さん(たつみ演劇BOX)
  • 林蔵の娘お千代:森川とっぴんさん
  • 船着場の博打打ち:森川竜二副座長・南條はる雄さん(劇団魁)


上尾村の林蔵が島流しの刑に服している間、屋根屋の庄五郎が、土地の親分として幅を利かせ、林蔵の一家は衰退。残る身内は勇蔵ただ一人、病に侵されながらも家を守っていた。10年後、やっとの思いで帰ってきた林蔵は勇蔵と再会。「娘のお千代はどうしている」林蔵が尋ねると「屋根屋が狙っているので清水次郎長親分のところに預けている」という。「早速お嬢さんに会いに行ってやっておくんなさい」と強く促され、勇蔵を残して行くことにためらいながらも、林蔵はその足で清水に出発。

その頃、清水一家では林蔵が帰ってきたことを知り、次郎長は次郎長で、お千代に早く会わせてやろうと、お蝶と小政に上尾村へ送らせていた・・・ 

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二代目梅澤秀峰さん 写真は舞踊「やぶれ傘」

 

感想など  至近距離での観劇

冒頭のあらすじを書くだけでもすでに波乱の匂いが。大衆演劇でよく演じられるお外題で、わたしも幾つかの劇団で演じられるのを見たことがあります。

今回は特別な公演ならではの面を楽しみながらも、、そこから劇団本来の姿を探りながら見ていました。というのは、森川劇団の「赤尾の林蔵」が「本家」であるとわたしの「大衆演劇の先生」に教えてもらったので。。。(ブログ) 

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入り口の看板「人斬り林蔵」アナウンスでは「赤尾の林蔵」と言われていたような。

座ったのが最前列だったので、迫力。舞台袖も見える距離。かすかな音も、よう聞こえる。そうなると、もう、感想どころではなくなる。あまりにも"中"に入り込んでしまって。同じお芝居を見ても席によって全然違ってきますよね。今回はそんな至近距離からの感想で、偏りご容赦。。。

"葉っぱ"が飛んできたので記念にパシャり。

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これはある場面で使われます。寒々しさが高まる演出
井戸、箒、塩、、と、小道具でも見どころ多し

 

悲しい名前

二代目梅澤秀峰さんの林蔵は、骨太で田舎くささのある飾らない男という印象。「江戸から東海道をまっつぐに..」などナマりががあり、人間味がある。清水へ早くと急いだのも、勇蔵が心配だからと、次郎長に言います。勇蔵の死期が近いことを一目で悟っていたのです。「せめて末期の水はとってやりてえ」そんなことは勇蔵の前ではおくびにも出さずに。

それが、もう1つの名を背負った瞬間から形相を一変させる。島送りの辛さに林蔵が一旦返上した「人斬り林蔵」という通り名

カタキ側の「屋根屋」という屋号にも意味がありました。屋根瓦を作る仕事をしていたので「屋根屋」と。つまりカタギだったんです。なのになんで。いや、だからこそなのか。。このくだりは今回初めて聞きました。

他にも、これまで見た中ではなかった描写がふんだんに織り込まれていて、「せやったんか」「だからか、なるほど」と「林蔵」への理解がぐっと深まった。幾重にも物語が含まれているすごいお外題やったんや。。

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梅澤秀峰さん 舞踊「やぶれ傘」で 切られた袖の破れ目のしたに腕の傷をしっかりつけられていた こういう細かい演出が好きです

 

「たかがヤクザで"人斬り"だと」だと?!

第4景、大詰め。ここからは怒涛の立ち回りが。暗闇、水、読経の響く中、ドスンドスンと足音、刀の音。壮絶でした。その渦中で、ショックを受ける場面がありました。林蔵の凄みにひるんで、屋根屋が助っ人の「先生」を呼ぶ。浪人、つまり武士です。出てきた「先生」。黒の着流しには髑髏と墓標の模様入り。その「先生」が、林蔵に「たかが知れたヤクザ者博打打ちの分際で"人斬り"だと。笑わせるな」というのです。

クラクラしました。所詮はヤクザ、博打打ちの分際で、だって・・・?

仁も義も美学もふっとんだ。10年だ。苦役に耐えやっとの思いで帰ってきた。2度と刀を持つまいという決意を翻しての、この極限で、こんな素浪人に嘲笑を浴びせられる。虚無だ。虚無しかない。

この演出が、特別なのか元々ある演出なのかわかりません。すごい、気になることが多すぎてもう1度「本家」森川劇団版を見なあかんこれは

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浪人役 大日方満後見 舞踊「恋の酒」

勇蔵とお千代のこと

もっと深掘りしたくてたまらなくなるお芝居。きりがないのですが、あと少しだけ、林蔵に最も近い2人の登場人物について:

浅井正二郎さん演じる勇蔵は、気丈で頑固で。病に侵されながらも「あっしのことはいいからお嬢さんに、早く」と気遣い続ける。病でなければそらあキッツい御仁なんだろうと思われる渡世人。どうやら林蔵と同じく腕が立つ。「人斬り」は勇蔵にも冠された言葉だったのでは。だから林蔵は島へ発つ前に勇蔵の刀に「鍔止め」をしたのではないだろうか。。。「"人斬り"はダメだ、と親分から言われたんだ…」最後の最後まで一歩も引かない。曲げない。そんな勇蔵でした。

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浅井正二郎さん舞踊「夏の終わり」
いつも思う 大きな鳥が降り立って舞うような、大きく繊細な舞

 

森川とっぴんさんのお千代。最後の場面で、わたしの座った位置からは、涙がぱたぱたと落ちるのが見えました。ずっとうつむいていたので、ほとんどの人は見えなかったと思います。見えないところでずっと演じ続けるとっぴんさんに、泣かされました。これはもう、席徳というやつです。ありがとうございます

 

以下、舞踊ショーから登場順に(2曲の方はどちらか1曲を紹介):

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森川竜馬副座長 森川とっぴんさん 森順平さん 夢川ゆあさんで「恋祭り」
至近距離なので4人衆全てファインダに入ったのがこれ1枚。。。

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南條はる雄さん「冬隣」

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嵐山瞳太郎さん「恋だるま」
写真の顔の向きが同じなのは致し方なしということで。。涙

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雷三さん「Haru Haru」

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森川竜二座長「男酔い」

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小泉ダイヤ座長「糸」

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小泉たつみ座長「あいつ」
たつみさんに森川調の「ずわっちょう〜〜!!」という影マイクが入るのが面白かったわ

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みやま昇吾後見「花道ひとり旅」かっこいい着物 森川竜二座長さんからの贈り物とのこと

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森川竜馬副座長「まっぴらロック」

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皐月竜馬座長 人形振りで「夢芝居」

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大日方忍さん「Shadow」都若丸さんの歌 舞踊曲ではもはやテッパン枠

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竜小太郎さん「裸の月」

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辰巳龍子さん「みやこの酔い宵小唄」

ラスト舞踊は「祝い酒」

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全景入らずですが びしっと おめでとうございます

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お昼の部が終わったのが16時を回っており・・・画像をアップするだけでも大変でした が 演じる方は夜の部の開演が17時。ひえええ〜

 

森川劇団@浪速クラブ10月公演

2016年10月30日昼の部まで
昼12時から 夜17時から
木戸銭1400円 前売り1100円
浪速クラブ
大阪市浪速区恵美須東1-3-7.
地下鉄御堂筋線動物園前駅より徒歩6分
地下鉄堺筋線恵美須町駅より徒歩4分
JR新今宮駅より徒歩8分
詳細は劇場ページをごらんください

浪速クラブのHPへようこそ!



 

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