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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

だから大衆演劇が好きなんや〜「心に残ってしまったお芝居」のこと2

「心に残ってしまったお芝居」が、あります。

この夏。大作というこのお外題が発表になってから、楽しみにしてました。そしていよいよ上演日、力の入ったお芝居で、凝った舞台セットや繰り広げられる熱演に、すごいすごい!と見ていました。しかし、、後半よもやの出来事が。

座長のお身内でもある大ベテランの役者さんがゲストで登場。なんとなく「いやな予感」・・・的中。やんちゃ気質のゲストさん。笑いを取る「アドリブ」を炸裂させはりました。

本来は悲劇、超がつくド悲劇。たっぷり泣くつもりで来たのにヒドイ.. 少しならよいのですが、ちょっとしつこく集中が削がれてしまって。他のお客さんは笑って見てはりました。笑ったら余計続くしみんな笑うのやめてーっと、心で叫んでました泣。

さすがに座長が「ぼちぼち本筋に戻りましょか」と促されて、やれやれと思ったその時です。

ゲストさんが言いました。

「これが終わったら今度いつあんたらと一緒に芝居できるかわからんから、もう少し、しゃべらせて」

はああ??これ以上何を言うってのっっっ。わたしは耳を疑いました、が、その方の潤んだ目を見て、、、ジーンとしてしまったのです。

「今度いつあんたらと一緒に芝居できるかわからんから」ーー

その劇団の身内になる、大ベテランのその方が、目を潤ませて言うのだから。一緒に舞台に立てることが、何にも変えがたい喜びだと言うのだから。

頭のなか、ぐわんぐわん。シッカリしたお芝居を見て、たっぷり泣くつもりだったのに、その言葉にわたしは心を奪われてしまったのです。

 

いいお芝居でした。壮大で、大熱演で、いいセリフが、見せ場が、いーっぱいありました。でも、思い出して真っ先に浮かんでくるのは、あのベテラン役者さんの口からぽろっと出た言葉:

「今度いつあんたらと一緒に芝居できるかわからんから、もう少し、しゃべらせて」なのです。

あーーナンテコッタイ。まいったまいった。

理屈じゃない。

どんな立派なホンよりも、極めて個人的な、人間くさい、むき出しの言葉が、胸に響いてたまらない。

きっとこれから先も何度も思い出す、舞台に立つ喜びが溢れたあの瞬間。

わたしなんかのしょぼい思いをはるか上回る大衆演劇の世界。

だい好きです。

 

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(補足)大切なお芝居なのでまた改めて書きたいと思います。まずは忘れられないこのことを書いておかんかったらどうも先に進めなくて...

 

 

 

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