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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年9月4日夜の部 劇団菊太郎@京橋羅い舞座 お芝居「板の上の人生」

大衆演劇 劇団菊太郎

1年ぶりに見る劇団菊太郎さん お芝居は「板の上の人生」

開演5分前に座長が舞台に登場 今日の流れの説明がありました:

「今日はお芝居から始まって、舞踊ショー、ラスト舞踊が終わってから約5分間、またお芝居になりますので、舞踊が終わったからって帰らないで(笑)最後まで見ていってくださいね」

どんなんか楽しみーー

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前説される座長 お芝居もこのいでたちでした

 

あらすじ(冒頭のみ)と主な配役

  • 大衆演劇の劇団の座長:梅沢菊太郎座長
  • 座長の妻:梅沢かおりさん
  • 看板役者の兄慎太郎:梅沢慎太郎さん
  • 看板役者の弟光太郎:梅沢光太郎さん
  • 花形:梅沢道矢花形
  • 元座員の前島:梅沢道矢花形(2役)
  • 前島の妻:梅沢北斗花形
  • 座員:全員 

舞台は興行中の大衆演劇の楽屋。13歳の双子の兄弟・慎太郎と光太郎は、劇団の看板役者として、花形はじめ座員たちの応援を受けながら頑張っている。芝居にも舞踊にももっと新しいことをやっていきたい2人に、座長はいい顔をしない。「昔ながらの親ゆずりの芸を大切にすべし」「よそがやっている?よそはよそ、うちはうち!」という座長の命令で、2人は予定していた喜劇を取りやめ、座員とともに「昔ながらの親譲り」である『幡随院長兵衛』を演じるのだった。

ある時、前島と名乗る男が妻を伴い座長を訪ねてやってきた。彼はかつて劇団員で、前座長の右腕として活躍していたが、13年前に「ドロン」(黙って辞めること)したのだ。そんな彼が、涙ながらに許しを乞い、申し出でたこととは。また、興行師が劇団のお金を持って逃げてしまったことが発覚。そのお金がないと、向こう9ヶ月の興行が打てないだけでなく、座員の給料も払えない。窮地に立たされる座長・・・ 2幕4景(多分)、100分の現代劇。

 

感想など 「芸道もの」の楽しみ〜舞台裏が舞台になる

幕が開いたら「楽屋」の光景。京橋羅い舞座の広い舞台に、衣装ケースや鬘ケースがうず高く並んでいます。つまり舞台裏が舞台という。こういう普段見られない場面が見られることも、「芸道もの」のお芝居が好きな理由です。

役者が役者を演じる。どこまでが台本の台詞で、個人の思いなのか。役の姿を借りて大上段に語られる"正論"、吐露される"本音"。今のは本心なんだろうか?それともお芝居?と、虚実の揺ぎを探るのが面白い。

ドキッとするものも。今回であれば「いまどき京山幸枝若って誰が聞きたいんや」とか・・・(わたしは聞きたいですが)

実はこのお外題は、今年の慎太郎さん・光太郎さんの13歳の誕生日に、座長が2人から乞われ、書かれたものなのだそうです。

 

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双子の兄慎太郎役 梅沢慎太郎さん

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双子の弟光太郎役 梅沢光太郎さん

 

本音は"夢の言葉"でもある

大衆演劇の劇団で起きた出来事をお芝居にしたお芝居。

「学校より舞台優先。卒業式も出られなかった」

「毎日、毎日、今日はお客さん来るやろかって心配しながら舞台に立って」ーー

13歳の役者の口から、本音とも台詞ともつかない、たくさんの葛藤が出てきます。

それでも「昔ながらの親ゆずりの芸」を受けて「板の上にかける人生」を、自分で選んでゆく。。。お芝居の中の人物と、役者本人が、否が応でも重なって、揺すぶられてしまう。これはずるい笑。自家薬籠中の物の強み半端ない。

劇中劇の「幡随院長兵衛」。13歳の長兵衛と水野の、若木のようにまっすぐで潔い身のこなしは、今だけのもの。素直な演技は伸びしろと比例するのだ‥なんて一人ごちる。老い先見えた者には眩しくてたまらないのです。

 

"新作"のお芝居のこと 〜 みんなが出られるお芝居に

わたしは「昔ながらのお芝居」が好きで、それが見たくて大衆演劇に行っているようなものです。もちろん新しいものも楽しんで見ていますが、どちらかというと、昔の空気がたっぷりふくまれているお芝居が好きです。

しかし、この日の座長の口上で言われたことで、考えさせられる事がありました。

大衆演劇で昔から伝わるお芝居は、座長が中心で、あとは端役になってしまうものが多い。でも、うちの劇団は20人の大所帯みんな芝居が好き。だから、みんなで出られるお芝居をしたくて、作っています」と。

 

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そんなお芝居を、座長は「大衆演劇らしくないお芝居」とおっしゃいましたが、、、100分にもなる長いお芝居は、お客さんの反応を見ながら進んでいくし、前島さんのスーツが身体に合ってなくて「ぶかぶかですよ」と言われたり、お客さんを巻き込みながら、舞台の上が仕上がっていく感じや、何より、役柄を借りて、それぞれの素(す)の言葉を語ることが許されるのは、やっぱり大衆演劇ならではで、それはすんごくいいところじゃないかな、、、と、思うのでした。 

 

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花形 梅沢道矢さん 内側から明るさが放たれているような方

 

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花形 梅沢北斗さん この方も独特なムード 柔らかな空気を放つ女性です 

 

以下、舞踊ショーの写真を何枚か 全員撮れず申し訳ないです

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舞踊ショー幕開け「亜麻色の髪の少女」

 

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梅沢雄輝さん「係長」なる20人の大所帯ゆえの役職でしょうか。激務そう。でもそれにも耐えられそうなおおらかな御仁とお見受けします

 

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梅沢健大さん18歳 劍のさばきの鮮やかなこと
面踊りの面はいつ付けたのかわからなかったほど瞬間芸で 魅せられたー

 

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男組リーダー 梅沢拓也さん19歳 「愛のかたまり」繊細な当て振り

 

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梅沢涼太郎さん「中村エレキ節」 3兄弟の末弟
12歳とは思えない舞台いっぱい堂々と達者な舞

 

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10代5名で構成される 菊太郎ジャニーズ?「男組」

 

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菊太郎座長 京都の臈纈染めだそう
こういう凝った衣装が見られるのも大衆演劇の楽しみの1つ

 

ラストショー「虹色アゲハ」キャノン砲でド派手にフィニッシュ

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この後、お芝居のラストが始まって。

お芝居なのだけれど、この流れで見ると、現実の事とも思える。

となれば、この3時間すべてがお芝居だった?それともすべてが現実?

本当に、夢と現実は地つづきなのかもしれないーー

そんなことをつらつら思う、悲喜こもごもの「夢語り」の舞台でした。

 

劇団菊太郎9月公演@京橋羅い舞座

9月29日お昼の部まで
お昼の部:12時から 夜の部:17時から
休演日:9月19日(金)
木戸銭:1600円(+座布団代100円)
京橋羅い舞座
大阪市都島区東野田町1丁目6-22 KiKi京橋5階
(JR京橋駅から徒歩5分・京阪京橋駅からすぐ)

詳細は劇場ページをご覧ください

大衆演劇 羅い舞座

 

 

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