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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年8月23日 桐龍座恋川劇団@新開地劇場お芝居「泥棒哀歌」〜「Take Care Of All My Children(子供たちをよろしく)」

大衆演劇 桐龍座恋川劇団

 
8月23日 新開地劇場 桐龍座恋川劇団公演へ お芝居は「泥棒哀歌」でした

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ラスト舞踊「お祭りマンボ」

 

あらすじ(冒頭のみ)と配役

盗人一味の男たちの運命と、親と子の愛情を描いた時代人情劇。
1幕4景、1時間。
(以下メモから書き起こし。うろ覚えのところもありすみません。名前の漢字は当て字です)

(配役)

  • 盗人の小頭 二代目恋川純座長
  • 錠前破りのたんざ 恋川風馬さん
  • 役人 恋川心哉さん
  • 母親 鈴川純加さん
  • 妹  桃川千鶴さん
  • 盗人の頭 初代恋川純太夫元
  • 盗人一味 恋川千弥さん、恋川春城さん
  • 居酒屋の客 鈴川真子さん、鈴川かれんさん 

 

役人に捕らえられた錠前破りのたんざ。役人は、まだ若いたんざの身の上話を聞き、改心の余地があると見込んで、縄を解いてやることに。ただし条件付き。

「息子と生き別れた母親と娘から、息子を探して欲しいと相談を受けている」という役人。「随分探した。おそらくもう見つからねえ。母親は長年の苦労がたたって目が不自由に。バレないから、息子として親子名乗りをして、娘のことも妹として、これから先は2人の面倒をみてやってほしい」というもの。

役人の期待どおり、堅気になり、大工見習いとして働き、親孝行するたんざ。母娘が営む居酒屋で、3人仲良く暮らしている。

平穏は続かない。

盗人の頭が、身内を集めて言う「役人の目が厳しくなったのでこの土地をずらかろう。最後の大仕事の土蔵破り。それにはたんざの腕が要る」と。頭は、たんざを説得するよう小頭に命じる。たんざのところへ向かう小頭。居酒屋で客のふりをして飲んでいると、襖越しに聞こえてきた母親とたんざの会話から、驚く事実を知る・・・

 

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二代目恋川純座長 「潮来笠」着流しの着方が綺麗

 

 

感想など 端正で迫力ある舞台

個人的に、どうしょうもなくヨワいテーマ。。。泣きすぎて目頭が痛くなってました。

劇団で長く演じられている人気のお外題のようで、座長の口上によると「最初の音楽が流れた瞬間から泣いているお客さん」もおられるとか。次からわたしもその口です^^;

集音マイクを使っておられたと思います。増幅率が低いので、慣れるまでは聞き取りづらいのですが、耳をそばだてて聞くことで、お芝居により集中できますし、何より直接マイクを通してない声は、自然で、奥行きがある感じがします。

第2場の夜泣き蕎麦屋や、第3場の居酒屋など、小道具含め、丁寧に作り込まれていて、舞台の隅々まで見応えありました。

初代演じる盗人の頭。登場した瞬間から、静かな迫力がみなぎりました。はぐれものをまとめるには、ただ強いだけじゃダメ。飴と鞭。老獪です。

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初代 舞踊「はしぐれる」もうハシグレすぎます笑

 

静かで端正な迫力は、舞台全体に通底していて、ベテランも若手も、男性も女性も、隙がない。安定した、質の高い舞台に、たくさんのお客さん。平日の昼間の新開地の客席のほとんどが埋まっていました。

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母親役 鈴川純加さん 静かであったかいおっかさん まだお若いのに所作と声の出し方でもうお年寄りにしか見えない(写真は群舞「足手まとい」)

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居酒屋の客役 鈴川真子さん クダを巻いて娘を困らせる
(写真は個人舞踊「冬の駅」)

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同じく居酒屋の客役 鈴川かれんさん シリアスなお芝居のワンポイントコメディで沸かせるお二人(写真はミニショー「さくら音頭」)

  

 

こどもたちを、どうか

端正で迫力、魅力的なところがたくさんあるお芝居の中でも、やっぱり二代目の気迫みなぎる演技に、心の大半を連れられてしまいました。

お芝居後の口上で、このお芝居について詳しくお話くださって、すごく面白かった。理解が深まりました。お芝居の話を聞くのが好きなので、ずっと聞いていたいくらい。

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以下、ちょっとだけネタバレ入りですみません;

母親が息子たんざをずっと思ってきたように、「本当のたんざ」もまた、親を思って生きてきた。その親が、自分の眼の前にいるとわかった瞬間、沈着冷静さを失い、一気にこどもに帰るんです。寒い夜、親を思って震えて泣く、小さなこどもに。。。

それで思い出したのは、昔見た映画「子供たちをよろしく(原題 Streetwise)」という、シアトルのストリートキッズの姿を追ったドキュメンタリーでした。

 

エンディングに流れるトム・ウェイツの歌 
Tom Waits - Take Care Of All My Children  

youtu.be

 

Oh, take care of all of my children

Don't let 'em wander and roam

Oh,take care of all of my children

For I don't know when I'm comin' back home

子どもたちをよろしく 彼らが迷わないように

私はいつ戻れるかわからないから  

 Oh, keep them together at the sundown

Safe from the Devil's hand

You gotta make them a pillow on the hard ground

I'll be goin' up to Beulah land

日が暮れたら魔の手から守ってやってください

そして休める場所を提供してあげてください

私はもう安息の地に向かっていますから

 

(意訳:Bingoさん

 

ああ、彼らは皆まだ、道に迷ったまま生きているこどもなのだーー

「泥棒哀歌」では、こどもの頃の気持ちにつながる場面を、時間をかけて丁寧に描がれているので、登場人物の無垢さを強く感じさせられます。

お芝居の最終場は、皆、皆、悲しい。それでも、少しだけ、救いが。道に迷っていたこどもが、ようやく歩む道を見つけることができた。孤独なこどもにも、そばにいる大人が、最後の最後で、現れたーー

全員は救われない。けれど、せめて、あなただけでも。

"take care of all of my children" 、よろしく頼む。

「哀歌」とは、ただ悲しみを歌っただけでなく、そんななけなしの願いも込められた歌のことだと、思ったのでした。

 

長くなってしまいました 以下、舞踊ショーの写真をピックアップで: 

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役人役 恋川心哉さん 犯罪者の悲哀を知る役人としてお芝居を締める

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「六本木心中」ではメガネ女子 おしゃれ

 

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錠前破りのたんざ役 恋川風馬さん「涙のキッス
必死で堅気を通すたんざ 健気さが滲み出ていた 

 

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盗人一味若いもん役 恋川千弥さん「ルパン三世のテーマ」

 

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盗人一味若いもん役  恋川春城さん 「?」

 

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二代目恋川純座長 「?」

 

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二代目女形「花蕾」
鮮やか 着こなし難易度高の色でもバッチリ着こなせる役者さん
大衆演劇のショーは衣装も見所がいっぱいです 

 

 

2016年8月 桐龍座恋川劇団公演

8月30日(火)お昼の部まで
お昼の部:12時から 夜の部:17時半から
木戸銭:1800円

新開地劇場
神戸市兵庫区新開地5-2-3
078-575-1458
JR「神戸駅」から徒歩8分
神戸高速「新開地駅」から徒歩5分
詳細は劇場ページをごらんください

【涙と笑いの人情芝居-新開地劇場-】神戸新開地の大衆演劇劇場

 

 

 

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