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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年8月8日 戟党市川富美雄一座@笑楽座 お芝居「血染めの小判」〜旅芝居の風

大衆演劇 戟党市川富美雄一座

2016年8月8日 大阪は大正区の笑楽座へ 
初めて観る「戟党富美雄一座」さん お芝居は「血染めの小判」でした。

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市川富美雄座長 「花は咲く」

あらすじ(冒頭のみ)

清水次郎長一家の子分・小政を主人公にした時代人情劇。1幕3景、65分。
(以下、聞き書きしたメモより。お名前など間違いあればご容赦ください)

舞台は神津の船着き場、茶店の前。祭りが始まるというので、忙しそう。

武家の姉妹(小川紗矢香さん・市川加賀女さん)がやってくる。親の仇を打つための旅という。妹が持病のしゃくを起こしてしまう。前の宿場で薬も財布も忘れてしまったことに気づく姉。通りかかった勘兵衛一家の代貸し・菊松(市川富美雄座長)が、姉が戻るまで妹を一家で預かることに。

程なくして、子分の小政(市川千也さん)が、やってくる。清水一家の次郎長親分の名代で、この土地の親分・神津の勘兵衛(中海加津治さん)に、貸した50両の金子を返してもらうためである。茶店で、親分の評判を聞くと、どうもよろしくない。茶店の女将(谷川恵那さん)は「代貸しの菊松さんが出来た人物だから、保てているようなもの」とこぼす。

1文無しで戻ってきた姉に、あり金全部渡してしまう小政。

「なあに、これから金を返してもらえるし、なんとかならあな」

ところが、勘兵衛親分は、返す気がないどころか、小政をだまし討ちにかけようとする。しかも武家の姉妹をも巻き込んで・・・

 

感想など

タイトルはちょっとおどろおどろしいのですが、決してそうではなく、入り口に貼り出された劇団ポスターから受ける印象通り、舞台全体が鄙びた色合いを帯びたような、また、大衆演劇よりちょっと昔のテレビ時代劇の1話のような、、そんなお芝居に思いました。

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「旅ゆけば〜」だったか、お芝居の冒頭に、清水次郎長一家の事を歌った歌が流れ、舞台は船着き場の茶店、三度笠と旅合羽の小政登場。千也さん演じる小政が朗らかで、のんきで、カラッといい風情。茶店の女将や武家の姉妹とのやりとりから、小政の楽天的な人を存分に。

 

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小政役 市川千也さん

 

「財布は形見だから渡せねえが、中身は全部持って行け」

「せめてお名前だけでも」

「ただの博打打ち。名無しのゴンべさ」

こういう古風なセリフのやりとりがふんだんに聞けるのが、気持ちいい。さっき「大衆演劇よりちょっと昔のテレビ時代劇の1話のような」と書きましたが、古典的なのだけど、全体にさらっとしていて、テレビ番組で言うたら関西ローカルではなく全国ネット? 普段関西になじみのある劇団さんとは異なる「旅芝居の風」を感じる瞬間です。


さて、小政、かっこよく全部渡してしまったのはいいけれど、茶店の支払いがまだだったことに気づいて「しまった」となるのですが。

一貫して、自分を守るとか、人を疑うことがない小政。

しかし後半。。。代貸しの菊松が身体を張って貫く「義理と人情」とは(タイトルの意味もここに)。

「あんな親分でも、俺にとっちゃあ盃もらった親だ」

菊松のセリフが、沁みました。

誰をも見捨てたくない。むちゃくちゃかもしれませんが、こういうお芝居を見るたびに「夜と霧」で読んだことを、思い出します。

決して恵まれた境遇でない者たちが、時として捨て身で、"他生の縁"に添う。

市川富美雄座長演じる菊松は、大衆演劇のやくざ渡世人らしさはあまりなくて、やっぱりどこかテレビの時代劇の主役に漂うムード、、お化粧も薄く、東映の映画村のお方のような、、と思ったら、プロフィールを拝見すると、やっぱりそのような経歴の方でした。

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代貸し菊松役 市川富美雄座長 

 

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しっかり者の茶店の女将役 谷川恵那さん 小政との掛け合いが面白かった〜

 

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武家の妹役 實川加賀女さん

 

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ゲスト 下町かぶき組より 花形 飛雄馬さん 華のある方。「大衆演劇らしくない(らしさが薄い)」と言われる下町かぶき組の飛雄馬さんが、この日最も大衆演劇の役者さんらしい(普段なじみのある)感じがしました。お芝居では土地の親分の子分役で。

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以上、貼り出された連名表を頼りに。。。初めてなので助かります 

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記事を書くタイミングが遅くて イベントごとはほぼ終わってしまいましたが、表に貼り出されていたゲスト・お外題情報:

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微笑みのうちに一抹の寂しさを秘めながら生きる。

三度笠は、そんな人生の象徴のよう。股旅姿はどこか滑稽で、寂しそう。

でも、決して不幸ではないし、一人旅だからといって心の芯から孤独ではない。旅の空のしたならどこでも我が家で、出会う人みな縁ある友と思う心があれば・・・

大衆演劇の劇場で、さまざまな旅芝居の風に触れられるのが、どこへも行けないわたしにはとてもとてもありがたいことです。

 

戟党 市川富美雄一座 8月公演

2016年8月30日お昼まで
昼の部12時から 夜の部17時から
木戸銭 1600円(前売り1400円)

笑楽座
大阪市大正区千島3-12-7
JR大阪環状線大正駅」・地下鉄長堀鶴見緑地線大正駅」2番出口から市営バスに乗り、「大正区役所前」下車、徒歩2分

詳細は「カン★ゲキ」の劇場案内ページをご覧ください

笑楽座 | カン★ゲキ 関西大衆演劇情報誌

 

 

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