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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年8月11日 劇団花月@遊楽館 お芝居「松竹梅」

8月11日(山の日)遊楽館へ、お芝居は「松竹梅」でした。

あらすじ(冒頭のみ)

小さなうどん屋を営む姉妹のところに舞い込んだ大店からの縁談話をめぐって繰り広げられる1幕1景の時代人情劇。1時間。

舞台は、お松(大御笑佛さん)お梅(山神眞行さん)姉妹が営むうどん屋の軒先。父母亡き後、姉妹で力を合わせて切り盛りしている。

伊勢屋の番頭の九郎兵衛(一條こま座長)が、伊勢屋主人(一條洋子総座長)の使いでやってくる。「うちの若旦那がお梅を見初めて、嫁に迎えたいと言っているので承諾もらえないだろうか」という縁談話。ありがたく受けるお松。九郎兵衛はお松に結納金50両を渡して去る。

出前から帰ってきたお梅。この話を喜ぶが、姉と店のことを心配する。「妹のお前が幸せになってくれるんだったら親代わりとして嬉しいよ」と答えるお松。

程なく、みすぼらしい姿をした男が、赤子を抱いて、お店に向かって歩いてきた。数年前、父母が町衆から預かっていた無尽の金を持って出て行った兄の竹蔵(美咲良太郎さん)だった・・・・。 

 

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お芝居終了後の口上挨拶する一條こま座長(右):今日は三枚目の九郎兵衛役。
左:お松役 大御笑佛(おうみしょうこ)さん 

 

感想など 1幕1景のお芝居のよさ

1幕1景のお芝居には、いいなあと思うものが多いんです。舞台転換がない分、細かい演技や語りで見せてくれる。今回も終わった後「ええお芝居観せてもろたなあ」と、充足感に浸ってました。

川端の、小さなうどん屋の軒先。番頭さんや近所のこどもたちが次々とやってきて、ワイワイ賑やか。場面は固定でも、人が織りなす景色は変化に富み、下町情緒たっぷりの、いい雰囲気。

お松役の大御笑佛さん、お梅役の山神眞行さんは、ともに10代という若さで、健気な姉妹のイメージにぴったりなのです。

特にお松はこのお芝居の柱的存在。すらっとした立ち姿、苦労も笑って吹き飛ばす勢いのいいお松、かっこいい。丸みのある声も好きだなあ。

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 お松役 大御笑佛(おうみしょうこ)さん

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お梅役 山神眞行(やまじまこ)さん

 

「許し尽くす」物語

このお芝居には、1つのテーマが通底して流れていると思いました。一言で言うと「許し」でしょうか。。。 

無尽のお金を持ち逃げした竹蔵のせいで、残された一家は大変な苦労を背負い、父母亡きあと、店と妹を守るため、懸命に働いてきたお松。 にわかに許せるはずがない。

竹蔵も、許されるとは思っていない。困り果てて、恥を忍んで帰ってきたのは赤子のため、なんですよね。。自分だけなら、帰ってない。そう思うと、涙が溢れてなりませんでした。お芝居自体は明るい雰囲気で、そんな泣くところじゃないんですけど、あかんー。

一度犯した罪を、世間はなかなか拭ってはくれない。「泥棒だ、盗人だ」と、番頭の九郎兵衛が言うたびに、胸に刺さりました。

辛い。辛い。何が辛いって、その言葉は、身内にも、及ぶのですから。。。

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竹蔵役 美咲良太郎さん 優しさの塊の、寂しい男という風情がよかったなあ

 


世間の冷たい声に伏してしまった人の顔を上げさせる、たった1つの方法が、「許し」なんですよね。

簡単なことじゃない。人を許すためには、許す側にも、支え手が要ると思う。

その、大きな支え手として、大詰めに登場する伊勢屋の旦那が。
みんなの思いをしっかり受け止めていくという。。

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伊勢屋主人役 一條洋子総座長 

 

以前琵琶湖座で見たお芝居「金山情話」もそうであったように、この「全ての人が許される」というところに、総座長の強い意思があるのではないだろうか。。。

世界が許しで満たされる。

現実の世界もそうであって欲しい。そう考えると、また涙が・・・って、全体に明るい雰囲気のお芝居なので、何もそんなに泣くこたあないのですが、日頃考えていることと重なることが多くてですね、つい泣いてしまうんでした。ううう

 

 この日の舞踊ショーより

こま座長と大御笑佛さん「靜の舞」

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総座長と座長「山科にふる雨 」
父と子は多いのですが「母と娘」の相舞踊はレアケースかも

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10代ペア 有縁輝さんと旭れいこさん(曲目わからず..)

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以上 女性ばかりの相舞踊シリーズでした

 

十條みのるさん(右)四川塊さん(左)「清水次郎長

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太夫元一條ひろしさん(曲目わからず..)

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ラスト舞踊「明治一代女」 終演後の挨拶とメンバー紹介

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劇団花月のお芝居は、どこまでも爽やかで、プロサッカーで例えたら「なでしこジャパン」という感じでしょうか。って、Jリーグなどのプロサッカーを見ないわたしが言うのもどうなんだかですが、「彼女たちのフェアプレイにみんな痺れたんや」と言う知人の弁を、思い出したので。。

 

 

劇団花月2016年8月公演

2016年8月29日(月)お昼の部まで
お昼の部12時から 夜の部17時半から
木戸銭:1,300 中学生 1,000円 こども 500

遊楽館
大阪市淀川区十三本町1丁目16-19
阪急十三駅から徒歩5分
電話:06-6412-4747・070-6689-5925

詳しくは「カン★ゲキ」の案内ページをごらんください

大阪十三 遊楽館 | カン★ゲキ 関西大衆演劇情報誌

 

 

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