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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年7月27日夜の部 優伎座@京橋羅い舞座 お芝居「花かんざし」

2016年7月27日 夜の部へ
ゲストに劇団華の市川たかひろ若座長、お芝居は「花かんざし」でした。 

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ラストステージ「恋詩」より

 

あらすじ(冒頭のみ)と配役

顔にアザのあるヤクザの男・正五郎と目の見えない娘の悲恋を描いた人情劇。
1幕4景、1時間10分。(以下、聞き取りメモより。名前の漢字は当て字です)

(配役)

  • 正五郎 市川英儒座長
  • 新太郎 市川たかひろ若座長(劇団華)
  • おみつ 英さゆりさん
  • おみつの母 市川静乃さん 
  • 沢庵医師 市川侃汐郎さん
  • 盗賊 英虎博さん
  • 明石の親分 英風舞さん
  • 明石の若いもん 英昇龍さん・英麗生さん


幕開け舞台は雨の降る土手八丁。目の見えない娘おみつと母親が、医者探しの道中で歩いてくる。おみつが母のために水を汲みに行っている間に、盗賊が現れ、母を刺し殺し、金を奪うのを、通りかかった釣り帰りの正五郎が目撃してしまう。盗賊は正五郎にも襲いかかる。正五郎は匕首で応戦、盗賊の顔を切りつける。おみつが水を汲んで戻ってきた。母が倒れていることに気づき、泣き叫ぶ。正五郎は一旦立ち去ろうとしたが、一層激しくなる雨、轟く雷が、おみつの顔を照らす。。。正五郎は、思わずおみつのそばに駆け寄り、傘をさしかけるのだった・・・

 

感想など いろいろな「花かんざし」の中で

「花かんざし」は大衆演劇の定番のお外題で、登場人物など、演じ手によって、所々違いがあるのですが、大筋をざっと書きますと:

顔に大きな痣のある男が、たまたま助けた目の見えない娘に、恋心を秘めながら、目が見えるようになるまでと面倒を見ることに。娘も男の優しさに惹かれ、顔を触らせて欲しいと頼むが、男は触らせることができない。そこに男前の弟分がやってきたので、ちょうどいい、お前の顔を貸せと、弟の方に顔を触らせたことが、後々悲しい誤解を生むことになる。。。というもの。

人気のあるお外題のようで、よくかかります。わたしもいくつかの劇団さんで何度か見るうち、悲しみが溜まってきまして^^; しばらく控えてました。この日も、迷ったのですが、、優伎座さん来月から当分見られないしと思い、出かけました。

辛かったー。これまで見た「花かんざし」の中でも辛さ度MAXのラスト、辛すぎる。でも、そんなことを考えるのも放り投げ、引き込まれたのでした。 

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正五郎役 市川英儒座長 キリッとした舞踊 よく見ると妖怪の着物 

 

印象深い場面のこと

ネタバレにならないよう、あまり突っ込んで書かないように気をつけながら(本当は書きたい~)、印象深かったことをいくつか:

第1場の土手八丁のシーンがドラマティック。激しい雨音、うす暗い舞台。稲光が照らし出した娘の姿に、正五郎は心奪われ固まってしまう。。正五郎の気持ちが、セリフなしでも伝わってきて。あーわかると、ゾクゾクしました。

虎博さん演じる盗賊。すさんだ風態に狂気を孕んでいて凄みがあった。座長との立ち回りは怖いくらいのスピードの刃渡。舞台終了後の話で、虎博さん、熱演のあまり、本当に刺して?しまっていたとか。それくらい踏み込むからこその迫力。

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盗賊役 英虎博さん

 

市川たかひろ若座長演じる新太郎の、香り立つような美男子ぶり。ボンボン育ちゆえ、色々やらかしては兄貴分の正五郎に面倒をかけているも憎めない、気持ちのよいやつという感じで、座長との息の合ったコンビネーションで小気味よく。

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舞踊はしっとり正統派 美しい舞姿 

 

さゆりさん演じるヒロインおみつ。毅然と自立した意思があり、ただ守られるだけの女性でないのが、よかった。

最終場でおみつが、正五郎の痣のある顔を、どう受け止めるか。ここの解釈が演じる方によって異なっていて、それによって個人的に感情移入が変わってくるところでした。優伎座版はとても共感できるもので、悲しいけれどおみつがこういう女性で嬉しかった-。

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おみつ役 英さゆりさん

 

そして、正五郎という男。痣があるばかりに、生涯女には縁がないと諦めて生きている。おみつが正五郎を信頼し、慕ってくれるので、希望を持ってしまった。どうせ俺なんて、でももしかして、、と、何度も打ち消しては、期待して。

だからこそ、絶望した時が、深い。

「恋なんてしたことがねえ。こんな時、どう言えばいいんだ・・・ 」

ラスト数分間は、座長の独断場。キレッキレ。

たまらんかった。辛すぎる。

けど。

思い出したのは、1970年代の松田優作主演とかの、荒っぽい男の映画。なんでそうなるん?それでいいん?無茶苦茶やでキツすぎるで。。でもこの迫力、もう後がない、キレっぷりに目が離せない。

ガス燈の下、正五郎は、震える手で握り締める。。。おみつからもらった小さなあの品を、孤独極まる男の、たった1つの慰めとして。(涙腺崩壊)

 

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お芝居終演後、座長は血のりと水浸しなので口上挨拶は英風舞さんとゲストの市川たかひろ若座長

 

 

ゲストの日は舞踊ショーもお祭り状態

ミニショートップは市川侃汐郎さん・市川たかひろ若座長ご両人 

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ピカピカ若手二人の登場に沸く 映画スターのピンナップの着物もいいなー

 

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沢庵医師役 市川侃汐郎さん 面白メイクに時代考証無視の"お医者さん道具"で登場 大丈夫すかセンセイ? このお芝居で唯一和ませる場面を担う

 

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市川静乃さん うら若き乙女さんですが 今回はお母さん役で
このギャップがまた楽しい

 

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英風舞さん 安定の親分役

 

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若いもん役 英昇龍さん 写真は座長との相舞踊から

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若いもん役 英 麗生さん

 

この日は ビジュアル系ラスト舞踊(と勝手に命名)「恋詩」

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「4枚の大入り」の手打ちで大団円

7月もいよいよ終わり。。。

優伎座さんは8月はお休みとのこと。
ゲストとしてどこかに出られるとのこと でした。。。

 

 

 

 

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