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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年7月3日夜の部 新川劇団@オーエス劇場 お芝居「かぁちゃん」

7月最初の日曜の夜の部はオーエス劇場へ。お外題は「かぁちゃん」

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ミニショーなしの通し狂言でした。

 

あらすじ(冒頭のみ)

4人の子を持つ母親おかつと、訳ありの青年・雄吉の、触れ合いを描いた時代人情劇。
1幕5場、1時間15分。
(以下、メモから書き起こし。名前の漢字は当て字です)

居酒屋で、2人の男(新川博之リーダー・明石たけ代さん)が酒を酌み交わし、噂話に興じている。「おかつさんは本当にケチな女だ、金を溜め込んで金勘定ばかりしている。昔は情のあるいい人だったのに、連れ合いが死んでからか、人が変わっちまったみてえだ」と。

その会話をじっと聞いていた若い男・雄吉(新川笑也座長)。黙って店を出て行く。

場面変わって、おかつ(新川博也座長)の家。居酒屋での噂通り、木箱からお金を取り出し、熱心に勘定をしているおかつ。家には4人のこどもがいて、それぞれ働いたお金を母親に渡している。「足かけ3年。この分だと、来月までにはなんとか貯まりそうだね」と、何か訳があって、家族総出で貯金をしている様子。

夜の刻の鐘がなる。息子娘たちが寝静まった後、さっき居酒屋にいた雄吉が忍び込んでくる・・・

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口上挨拶される新川博也座長(主演おかつ役)

感想など 夢のような人情喜劇

夜の部、思い立って行ってよかった。。。
よい景色、よい風情の、ええお芝居でした。

第1場の、古びた居酒屋。
貧乏人のささやかな楽しみの一杯。浮世を憂い、酒を酌み交わす。

第2場の、虫の音に囲まれた粗末な家。
お膳をずらっと横並びに、仲睦まじくご飯を食べるおかつ一家
(本当に食べてはるので「この芝居、昼夜やるとお腹にこたえる」とのこと)

暗めの照明のしたにポワッと浮かぶ、懐かしい夢のような光景。

ただでさえ、オーエスはタイムスリップ型劇場(笑)なので、渋さ5割増し。そこへきて、ベテランの役者さん揃いで、もう味わい半端ない。

このお芝居、ほぼ総出演だったでしょうか、あらすじに書ききれてなくて申し訳ないのですが、端役、脇役、とにかく登場人物が多く、賑やかで、とっても贅沢。

おかつの息子一太に峰そのえさん、娘おさんに小峰ゆかりさん、ご両名とも、おかつ役の博也座長より年上・・・なんだけど、じつにチャーミング。大衆演劇ファンタジーとでも言いましょうか、こういう実年齢逆転によって、とってもいい風情が醸し出されるんです。

 

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おかつの息子一太役 峰そのえさん 歌もうまい〜

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おかつの娘おさん役 小峰ゆかりさん 可愛らしい末っ子をキュートに

 

「噂好きの男二人」・新川博之リーダーと明石たけ代さんが、ナビゲーター的存在で、幕間に客席後方から登場。

2人のおしゃべりによって、お芝居の流れを伝えるという趣向も、楽しかったです。(客席を使う演出にヨワい)

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新川博之リーダー 脇をがっちり固める

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明石たけ代さん かっこいいー

 

大衆演劇女形のこと

刮目は主演の博也座長の女形。なんといっても声。あの深く丸みのある声はどうやって出しているのだろう。所作の1つ1つが、あまりに自然に「かぁちゃん」しているので、男性と知らずに見た方は最後までわからないのではないかと思うほどです。

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新川博也座長

限りなく女性に見える、のですが、そのものになるというのではなく、あくまでも架空の、夢の中の女性。そこに惹かれるというか。。

これは全くの私見なのですが、、、

この役を、女性が演じたとしたら、まんま「かぁちゃん」が出過ぎて、逆に引いてしまうかも。あるいはあまりに普通で、流してしまうか。。。

このお芝居では、男性が演じるところに面白さがあり、芸の見せ所で、

セリフや仕草に母親の情感がこもってないといけないだろうし、かといってそれを露出させすぎると、くどくなってしまう。「男」が出てしまうのは、もっといけないだろうし、相当難しいんだろうなあと、想像が追いつきません。

大衆演劇の「女形」の魅力。

なんで、自分はこれほどまでに惹かれているのだろう。

最近の関心は、まさにこのことにありまして、ずっと考えています。

  

かぁちゃんと訳ありの男たち

このお芝居の主題がこれです。。。やっとかいってね。。。あい、もう多くは申しません。。。

こころと背中に「傷」を負う男が2人、登場します。

この男たちと「かぁちゃん」が、どう向き合うか。

「訳あり青年」の雄吉役、笑也座長の表情が、刻々と変化していく。

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笑也座長とたけ代さん 相舞踊「小鉄の女房」

 

「こんな俺をどうして受け入れてくれるんだ」

「ずっと一人だった」

このブログではもう何度も言うてますが、お芝居の中だけのことではない、一度の過ちから転がるように生きてきた雄吉の、控えめな姿、葛藤する様が、リアルに迫り、胸を突かれるのでした。

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 新川笑也座長 パンダの着物
こういう大衆演劇の舞踊の着物のセンス ほんまに好きです

 

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源次郎役 昌史さん
写真では三枚目ですがお芝居では情け深い大工の親方という設定

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おかつの息子役 大川龍介さん(特別参加) 爽やかな役者さん

 

(余談:お願いというか)

お願いが1つ、、、書こうか書くまいか、うーん書いておこうか。。

ラストのシーン、あと1分、いや、せめて30秒、長く見たかったーっと。

幕閉めを、あと少し待ってもらえたら、きっと号泣、スタンディングオベーションものだったと思うんです(大げさですが本当に)

しかしながら、日々舞台、さらっと終わるのが、大衆演劇らしさなんやと思うべきか、いやいや、もっとやっとくれ〜と懇願するべきか。ほんま、あの最後のシーン、好きなので、マジで直訴してみしようかと、勝手に悩んだりしてます。欲張りにもほどがあるってね、いやいや。。。

 

 

新川劇団@オーエス劇場 2016年6月公演 

6月1日から29日 お昼の部まで
お昼の部:12時から 夜の部:17時から
休演日:6月20日
木戸銭:1300円 前売り1000円

オーエス劇場
大阪市西成区山王2ー14-20
地下鉄御堂筋線・堺線「動物園前駅」から徒歩5分
電話:06-6649-3503 
詳細は「カン★ゲキ」のページをご覧ください

e-kangeki.net

 

 

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