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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年6月26日夜の部 本家真芸座@明生座 お芝居「佐太郎仁義」

大衆演劇 本家真芸座

6月最後の日曜の夜、明生座へ。お芝居は「佐太郎仁義」でした。

あらすじ(冒頭のみ)

渡世人の佐太郎と、佐太郎に恋する芸者小鈴が活躍?する時代人情喜劇。約60分、1幕4景。(以下メモから書き起こし。名前の漢字は当て字です)

今日は法華一家の親分(真城匠さん)の誕生日。祝宴の準備に追われる子分(片岡桔梗さん・片岡扇竜さん)たち。親分「おい、女はどうした」「へい、今呼んでおりやす」「佐太郎(片岡梅之助総座長)はどうした」子分「へい、酒を買いに行っておりやす」・・・

芸者のおたき(矢島京子さん)が呼ばれてやってくる。おたきの妹分の小鈴(片岡大五郎座長・ブサイクメイク)は呼ばれてないけれど(笑)、佐太郎に会いたくてやってくる。

前からおたきに目をつけていた親分。おたきが佐太郎と恋仲であると知りつつ、お構いなし、俺の女になれと床へ引きずり込んでしまう。

帰ってきた佐太郎は、事の次第を知り、二人を責める。おたきは開き直って、三下のお前さんより親分さんのほうがいいと言い、親分は親分で、親の俺に逆らうのかと逆ギレ、盃は水だ、一家から出て行けとの三行半。

反撃しようとする佐太郎を、兄弟分の三之助(豊島屋虎太朗さん)が制する。「俺たちやくざは、親分が白いものを黒と言えば黒と言わなきゃならねえ。辛えだろうが堪えてくれ」三之助の言葉に佐太郎は刀を納め、しばらく旅に出る決意をする。

母(矢島ひろみさん)と妹お花(片岡小梅さん)のことを、三之助に任せ、「行ってくらあ!」と旅立つ佐太郎。小鈴も後を追う。ついて来いとは言われてないけれど笑・・・

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片岡大五郎座長「時代」

感想など

筋書き的には、大衆演劇の王道で、ドタバタ含む"軽い"もの、なので、ブサイクキャラ・小鈴の、トリッキーぶりと愛らしさが命。

笑いましたー。大五郎座長の小鈴。

ギャグや、奇をてらった仕草で笑いを取るのではなく、例えば「佐太さーん、どこー?」と、舞台袖から声がするだけで、もう舞台に喜劇のムードが醸し出されるんです。

こういうムードは、天性のものか、お人柄か。ふわっと、優しく、誰かを落としたりせずとも、本来ひとが持っている滑稽味の愛らしさで、笑いを起こす。

角の取れた丸い声。押すでもなく、引くでもない、絶妙の間の取り方。

ボロカス言われてもデーンと構えて動じない、可愛くて強い小鈴。無敵です。

 

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ベビー虎志くんと(若い父ちゃん!)

 

その対比として、「三下」なのにやたらかっこいい佐太郎、かっこいいけど笑える という笑

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口上挨拶する総座長(なんとお祖父ちゃん!)に、にじりよる虎志くん

 

前述のあらすじの通り、とってもかわいそうな佐太郎。何も悪くないのに散々な佐太郎。でも、そんな「惨めな三下」という設定にもかかわらず、梅之助総座長、いつものように決めるところはビシッと決めはるし、花道ジグザク歩きを見せてくれるし、かっこいい〜、でもなんか違う〜のが、面白い。

「喜劇」は、役者の個性に依るところが大きく、特に大衆演劇では、客席と近い分、リアルな面が色濃く、お芝居の役と交錯するところに、独特の妙味が生まれる気がします。

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片岡梅之助総座長「再り会い」

 

迫る小鈴に、逃げる佐太郎。「小鈴、いけ〜っ」「押し倒せ〜」とか、言いながら見てました。押し返す佐太郎が「おまえ強すぎ」とか本気で言うてるのが面白かったです。それでも、欲を言うと、小鈴はもっとやれる子、あれでもまだ手加減してるに違いない。。もっとやったれ、かましたれ〜、このお芝居では、小鈴が完全に主役を食っちゃうくらいが絶対面白いと思ったりするのでした。

 

「喜劇」を見て、また好きになる

わたしはドスンと重〜いお芝居が好きなので、喜劇は積極的には観ないのですが、少しずつ見方が変わってきて、喜劇っておもしろい、、、ただ笑うものが喜劇じゃなくて、いろいろあって、役者さんの、そのお芝居でしか見られないだろう一面、あるいは素(す)の面が垣間見られるようで、深いぞこれはと、考えられるようになりました。

シリアスなお芝居の方が好きなことに変わりないのですが、、、それでも、三枚目を演じられるのを見たことで、その役者さんのことを、ますますええなあ好きやなあという気持ちが固まったりしました。

そういうことは、そうそう多くはないのですが。。。

「笑い」って、本当は軽くないんだろうと思います。

 

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芸者おたき役・矢島京子さん
お花役・片岡小梅さん「東京宵待草」

 

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法華一家の親分役 真城匠さん「無法松の一生

 

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佐太郎の兄弟分 三之助役 豊島屋虎太朗さん「雪の渡り鳥」

 

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ミニショーラスト「パッと咲いて」 片岡桔梗さん(右)
ベビー志月ちゃんの弾けっぷりがすごかった&可愛かった

 

"人生はクローズアップで見れば悲劇、
ロングショットで見れば喜劇 "(チャップリン

 

 

 

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