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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年5月26日 劇団章劇@ユーユーカイカン お芝居「渡世人」と 歌唱「ふりむけば夕陽」

5月26日、四日市にある大衆演劇が見られるお風呂付き娯楽施設「ユーユーカイカン」へ。5月興行は章劇さん。関東より東の方を中心に巡業されている劇団さんで、年に1度、四日市に来られるのを待ってました。ここならうちから車で比較的気軽に、ささっと行ける距離なのです。

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お芝居は「渡世人

タイトル通り、「渡世」に生きる男たちの、ままならない運命を描いた人情時代劇。1幕3場、1時間15分。

 あらすじ(冒頭)

(メモから書き起こし。名前の漢字は当て字です)

和太郎(澤村蓮座長)と弥三郎(特別参加美月流星座長)は、身寄りのない者同士、助け合って生きてきた兄弟分。二人は、わらじを脱いだ天道一家の親分から命を受け、一家の用心棒(澤村章太郎後見)について出て行ってしまった姐さん(親分の妻)を連れ戻してほしいと頼まれ、引き受けて来たものの、相手は腕の立つ浪人。場合によっては殺されるかもしれない。弥三郎には、惚れた女がいた。先の宿場町で出会った娘おその(菊小鈴さん)で、この仕事が終わったら迎えに行き、堅気になって暮らしたいんだという。「ならばここは俺一人で引き受ける」と和太郎。「なあに、刺し合う気はねえ。なんとか説得してみせるさ」と、弥三郎を引き上げさせる。

しかし、和太郎と用心棒との交渉は決裂、刃渡り勝負に。やっぱり強い用心棒。あわやというところで、助太刀が。心配して戻ってきた弥三郎だった。「危ないところを助けられた。お前は命の恩人だ。もしもこの先、お前の身に何かあったときには、俺を身代わりに使ってくれ」という和太郎。

数年後。弥三郎はおそのと夫婦に。流れ流れて辿り着いた町で、小さなまんじゅう店を営みながら、子宝にも恵まれ、幸せに暮らしていた。ある日、島田一家の二代目(瀬川伸太郎さん)があわられ、弥三郎が、二代目の父親、先代親分にかけてもらった恩を盾に、無理難題を突きつける・・・。

 

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お芝居の渡世人の扮装で口上挨拶される澤村蓮座長 

 

 感想など 「渡世人」を堪能

タイトル通り「渡世人」の世界が満タンのお芝居。登場人物のキャラクター設定がはっきりしていて、ストーリー的には大衆演劇の王道の流れ・・というと、単純明解なイメージに聞こえてしまいそうですが、演技ではむしろ細やかな、役に扮する役者さんのそれぞれの役作り、これぞ股旅という所作を堪能させてもらえる。

例えば、蓮座長の三度笠姿、「お呼びですかい」と、舞台袖から、待ってましたとばかりに現れて、合羽をバッ、足をググッと広げ「おひけなすっておくんなせえ・・・」で始まる、お手本のような綺麗な「仁義」をフルバージョンで聞けたり。「かっけ〜っ」ことこの上なしでした。

 

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蓮座長 個人舞踊 初めて見る面踊り「よっしゃあ漢唄」

 

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弥三郎役 美月流星座長(特別参加)このお芝居では弥三郎が主人公(かな?)。一度渡世に関われば払い切れないしがらみを背負うしかない弥三郎の、苦悩と覚悟がにじむ。個人舞踊「裏みちの花」では「客席から「きれい」の声が上がる

 

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用心棒役 澤村章太郎後見 第1場しか登場されなくて寂しかったですが 存在感大。"頬染め"などで笑いもしっかり(「渡世人」はシリアスなお芝居で、笑いがあるのは第1場のみ)さすが〜

 

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瀬川伸太郎さん 島田一家 二代目役 悪〜い役。安定の悪さというか、迫力ある悪さがうつくしい、って、これまた変な言い方ですが。。ほんとそんな感じ。 舞踊は「お梶」で客席からの登場で沸きました

 

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おその役 菊小鈴さん 昨年はおられなかった? 健気で毅然としたヒロイン

  

悲しき渡世 「永訣の朝」と 虫の経

 「渡世人」とは何か。かつての股旅映画も作られなくなった今はもう、大衆演劇でしか、知る機会がないのではないでしょうか。

江戸の頃、身一つで全国どこへにも行ける、アウトローたちの草の根ネットワーク、とでも言いましょうか。非常にユニークで、ある種社会のセーフティネットに思えます。

と、良い面もありますが、基本は荒くれ社会。中でも、その一家にたった1日泊まらせてもらっただけで、何でも言うことを聞かなければならないというのは、あまりにもリスキーで厳しすぎる掟です。

そういう無茶苦茶さが、血族を越えた兄弟分という契りを生み、物語を物語たらしめる源にも、なっている。。。厳しい運命を前に、それぞれどうするか、試される。

渡世人」の最終場で、和太郎は弥三郎にある頼みごとをします。このシーン、泣かされます。宮澤賢治の詩「永訣の朝」を思い出しました。

「俺ぁ幸せもんだ」と和太郎。

諸行無常の鐘の音よりも 鳴く虫の音を経と聞き‥」

悲しいまでの渡世人たる決めセリフも、たっぷりと。
 

最終場のみ登場、大井一家の二代目(澤村雄大さん)が、ビシッと締めて、幕。

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楽しい「ふりむけば夕陽」〜「お嬢さん」を探せ?!

舞踊ショーで、章太郎後見が歌う「ふりむけば夕陽」。語りのところで、盛り上がるんです。後見が「お嬢さん!」というと、「はい!」「はい!」客席から元気な声が。「お嬢さん」を探す後見・・・うーん、いない。もう1度「お嬢さん!」するとさらに大きな声で「はいっっ!」今度は手まで上がる。ますます混乱する後見。「おかしいな・・・昔のお嬢さんならいるけど」(笑)。

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昨年もこれがあって、めちゃ楽しかったので、今回も当たってうれしーと喜んでいると・・・やはりこの曲、人気のようで、リクエストがかかったりして、ほとんど毎日歌っておられるそう^^;

なんどやっても楽しいのは、やればやるほど、こなれてきて、参加する人も増え、さらに楽しくなる=定番化。もはやこれ無くしては終われないという笑

ちょうど、土を耕すのと同じで「場を耕す」。後見の醸し出すムードがいいんですね。"ほっこり"させてくれる。お客さんのこころをほぐして、素直な気持ち・・・日頃どこか構えがちなところを、単純なことに身を任せる気持ちを掘り起こしてくれる、よくできた歌、パフォーマンスに拍手喝采。一緒に参加したお客さん同士も、互いに称え合い、元気満タンです。

 

澤村ダイヤさん「望郷旅がらす」

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城山ゆう斗さん「青春時代」

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「男の絆」蓮座長と瀬川伸太郎さん ご両人のあいだに注目

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置いてけぼりにされていた流星座長が 割り込み

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 キメッ 間に合いました笑

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ラストショーは「御目通り」で賑やかに(これ好きやわ〜)

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売店コーナーでは ころころ青梅 お目通り

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6月には黄梅(梅干用)に

 章劇さんは関東、川崎・大島劇場へ。。。

 

 

 

(*記載内容についてわたしのメモの取り間違いがあるかもしれません。
 その際はお詫び申し上げ、随時訂正していきますのでご容赦ください。)

 

 

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