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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年5月24日夜の部 劇団飛翔@明石ほんまち三白館 お芝居「その後の長吉」ゲスト二代目森川長二郎さん(森川劇団)

ささっと仕事を片付け(…たことにして)、明石ほんまち三白館は劇団飛翔さんの公演、夜の部に行ってまいりました。ゲスト出演・森川長二郎さん(森川劇団)、お芝居は「その後の長吉」

「吉良仁吉」の「荒神山の決闘」の、その後を描いた時代人情劇。
1幕4場、55分。

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 恋瀬川翔炎座長 「惚れ神」

あらすじ(冒頭)

(メモより書き起こし・名前の漢字は当て字です)

荒神山の決闘」で死んだ吉良仁吉の葬儀にやってきた神戸長吉(恋瀬川翔炎座長)。線香1本でも上げさせて欲しいと乞うも、森五郎親分(市川雀乃助さん)に拒まれる。仁吉はお前のせいで死んだ。兄弟分を見殺しにしたお前とは金輪際付き合いを断たせてもらう。これは清水次郎長親分(翔炎座長二役)も同意見だと、弔問客の親分衆の前で厳しい言葉を浴びせられる。

帰り道。イカサマ博打がバレて簀巻きにされようとしている女侠客(花咲小紅さん)がいた。長吉が仲裁に入り、賭場守りの者(恋瀬川笑助さん)に金を渡して女を助けるが、神戸長吉と名乗るや否や、女は態度を一変、卑怯者と長吉を罵る。

家では、母親のおくに(二代目森川長二郎さん)が心配して待っていた。這うように戻ってくる長吉だが・・・

感想など

お芝居から、痛みの破片が飛んできて、こころに刺さったままでいるような気分です。。やられた。。

舞台終了後の挨拶で、長二郎さんから「『初めて行くところでお客さんを喜ばせたいから、新しいお芝居を教えてください』って翔炎座長から頼まれましてね」と、お芝居上演の経緯の説明がありました。

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なるほど、この日が初演だったのですね。

「お客さんを喜ばせたい」と、かけられたとのことですが、、、笑いを取る場面は一切なく、派手な立ち回りなども入らないまま、淡々と進んでいくお芝居で、演じる方はとても難しそうな。わたしはそういう系が好きだからいいのですけど、万人ウケするものかどうかは〜??とか、物語が「吉良仁吉」の「荒神山の決闘」の事後談になっているので、ある程度その辺りの予備知識がないと分かりづらいし感情移入しづらいかもとか、あとは、、言葉を選ばずに言うと、初演ということもあって、手堅くやっておられる感じもあり。

と、いろいろ書いてしまってますが(スミマセン~)、そういうのをひっくるめて、でも、なのか、だから、なのか、初演ならではの張り詰めた空気、それぞれがそれぞれの役に対して、大切に、ひたむきに、慎重に踏み込みながら、作り上げていかれた感じがした、劇団飛翔の"その後の物語"。とてもとても、よかった。。。です。

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お芝居終わり口上挨拶される 次郎長親分姿の翔炎座長 


翔炎座長演じる長吉が、酷い言葉を浴びせかけられても、感情を押し殺して耐え、語らぬ理由が、だんだんと解けて、心のひだがヒリヒリしました。

そして、母親役の長二郎さんの、にじませる情、迫力。どっしりとした立ち姿。かっこいい。。

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二代目森川長二郎さん 舞踊「女」コミカルで面白かった~

 

母親役を、男性の役者さんが演じられるときと、女性の役者さんが演じられるときがあります。前者の場合の、フィクション性が高くなる感じが好きです。後者の場合は、そのまんま"母親"で、リアリティがあって、無条件に感情移入できる。どちらも役者さん次第なんだと思いますが、男性が"母"を演じる時の面白さ、、、中性的(オカンは総じてオトコ化してるし笑)で、時折、父性が覗くような"母"に、大衆演劇の醍醐味を感じます。

 

また、第1部 顔見せミニショーでは とにかく明るく華やかな劇団飛翔

長谷川翔馬さん「望郷じょんがら」シリアスな歌&扇舞で

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差し入れのプリンをその場で食べる 茶目っ気ぶりを発揮し

 

恋瀬川キャビアさんが「恋人も濡れる街角」から「め組の人」で

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ハートを作れば歓声が上がり(正確には何をやっても歓声が)

 

恋瀬川笑助さんは「道頓堀人情」を どっピンクの羽織で!

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この歌の「冷とない 優しい街や とんぼりは〜♪」というところが好きで 何べん聞いてもじーんとなります

 

トリは 翔炎座長「愛燦々」から「命の華」の
「咲っかせるっ(翔炎!)ふったりばな〜♪」

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と、弾けるミニショーの幕がしまり、次に開いた時

「南無阿弥陀〜南無阿弥陀〜」ポクポクポク・・・(シーン)。

と、"ガチ"のお葬式。

そんなギャップもたまらん〜よかったわ〜でした。

 

こころが"折れる"ときとは

「その後の長吉」のクライマックスは、次郎長が登場する第4場と思います。が、わたしがもっとも後々まで考えさせられたのは、第2場の「葬儀からの帰り道」の場面。「イカサマ博打がバレた女侠客」とのやりとりでした。

ネタバレ注意で、少し触れます、、、長吉が助けた相手は、侠客の世界ではおそらく下っ端の女。その女が、助けてやったにもかかわらず、まあ罵詈雑言、勝ち誇ったかのように、まくし立てる。 見ていて(聞いていて)「あんたなあ、そこまで言う?」と、憎さこみあげる、辛い辛い場面です。

でも、女も女で、これまで散々受けてきた屈辱を、ここぞとばかりに、吐いたのかもしれない。。。

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花咲小紅さん キッツい役どころ やさぐれ感たっぷり
胸が痛くなるほど 惹きつけられた


そして、深い悲しみを抱えながらも、女を見捨ててはおけない長吉の、心根の優しさ。それなのに、長吉が突きつけられたのは、これまで受けたことがないだろう侮辱だった。長吉は、とうとう悲痛の声をあげるのです「兄ぃ、こうまでして、俺ぁ、生きなきゃらなねえのかよぅ」と。。。

物事の表層を捉えただけの噂ばなしや、一方的な決めつけによる、いわれのない辛さの連鎖は、今もある。

レッテルと、呼びます。

 

 

森五郎役 市川雀乃助さん

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浮世絵の歌舞伎役者さながらの格好良さ

 

笑ったのが、長二郎さんの歌のとき

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長二郎さんにお花をつける謎の男客あり

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なんと翔炎座長

 

翔馬さんも出てきて 写真を撮る

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と、大人気の長二郎さんでした。

昼の部と合わせてトリプルの大入り!座長が、手打ちの音頭を長二郎さんにふったらば、長二郎さん、話が止まらなくなり、「おじさん、もうそろそろ‥」と座長が言う・・・というやりとりが3回ほど続きまして笑 終わりの時間、かなり押したような。でも、お芝居の話や楽屋内の面白い話を、たっぷり聴かせてもらえて、ありがたかったです。

 

壁に並ぶ「大入り」の札 

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 明石ほんまち三白館の新記録更新中だそう 壮観です

 
(*記載内容についてわたしのメモの取り間違いがあるかもしれません。
 その際はお詫び申し上げ、随時訂正していきますのでご容赦ください。)

劇団飛翔 5月公演情報

2016年5月1日から30日お昼まで
昼の部12時から・夜の部17時半から
木戸銭 1800円 

明石ほんまち三白館
兵庫県明石市本町一丁目14-18
JR明石駅から徒歩5分

www.eonet.ne.jp

 

 

 

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