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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年5月22日夜の部 たつみ演劇BOX@朝日劇場 お芝居「お染久松 小龍の七変化」

日曜の夜、満席の朝日劇場。お芝居は「お染久松 小龍の七変化」
辰巳小龍さんが一人で七役!早着替えで演じられるというお外題。昨年京橋羅い舞座での上演時観られなかったのですヤッタ〜。 

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辰巳小龍さん同日の個人舞踊より

 

元は「於染久松色読販」(おそめひさまつうきなのよみうり) という歌舞伎の演目で、オリジナル版についてはこちらのページに詳しくわかりやすく書かれてあります。

上記サイト文より:

(見どころ)なんつっても通称にあるように、ひとり七役もの早替りでしょう。序幕は芝居の登場人物の紹介も兼ねているから、町娘のお染と丁稚で恋人の久松、久松の許婚で村娘のお光(*たつみ版では嫁菜売りの久作の妹)、奥女中の竹川(久松の姉)、芸者の小糸、お染の母親の貞昌、そして悪婆の土手のお六と、ほんにまぁ、どんどん替わる、あっちゅう間に替わる。それも、お客さんが注視している面前で、傘やゴザなどの小道具を巧みに使って、ふたりの人物がぶつかったと思ったらすり替わっていたりする。目をサラのようにしてご覧あれ。

初演当時(1813)「早変わり」が流行していたとのこと。確かに、これは楽しい!流行るのも道理。「芸」は時代を超えて、いまなおワクワクと人を魅了する。アナログ・スペクタルとでも言いましょうか。

1幕4場(たぶん‥)、1時間40分の特選狂言

あらすじ(冒頭の部分)

(メモより書き起し、名前の漢字は当て字・敬称略)

質屋油屋の娘お染(小龍1)は、丁稚の久松(小龍2)と好き合っているが、お染には山家屋清兵衛(小泉たつみ座長)という親が決めた許婿がいる。二人の仲を知る番頭の善六(嵐山瞳太郎)は、このことを利用して縁談を破談に持ち込み、自分がお染と結婚し、店を乗っ取ろうと企んでいる。武士の鈴木弥忠太(宝良典)は、芸者小糸(小龍3)の身請けの金欲しさに、善六と結託。

話はまだまだややこしい。弥忠太は千葉家家中の侍で、久松は同じ千葉家に仕える侍の息子だった。父親が、千葉家の家宝である名刀義光を、何者かに盗み出された罪でお家は断絶。今は奥女中をしている姉の竹川(小龍4)と、父の汚名返上とお家再興を目指し、刀を探していたのだ。その刀は、、、なんと油屋の蔵にある。その折り紙(保証書)を手にしているのは善六。その善六、すっかり手中に収めたつもりが、ちょっと隠すだけと、通りかかりの嫁菜売りの久作(大蔵祥)の、荷の中の藁細工に差し込んだところ、そのまま久作の手に渡ってしまう。

さらに、かつて竹川に世話になったという、タバコ屋と洗濯家業の土手のお六(小龍5)と、夫の鬼門の喜兵衛(小泉ダイヤ座長)が登場。話はどんどんややこしく面白く・・・

 

感想など

幕があくと、賑やかな「妙見さん」の参道。朱色の鳥居や茶店、お江戸カラーいっぱいの背景に大道具。照明の輝度もバチッと、これぞ朝日劇場や〜という華やかな舞台。そこに登場人物たちが、賑々しく続々と現れるという趣向。

小龍さん、のっけからガンガン「早変わり」!長〜いお芝居の最初から最後まで、ただの1度もスピードが落ちることなく、ガンガン変わりまくる。手品?魔法?

全く違う人物を、いともたやすく演じ分ける小龍さん。いちいち「上手い上手い」ばかり言うてまして、でも、それよりもっと口について出た言葉は「楽しー!」でした。

すぐに変われるよう、鬘やお化粧なども工夫が施されていて、仕掛けのポイントを見つけるのも楽しい(小道具好き)。

しかし、何がすごいって、連携プレーが!すごいんです!時々「影武者」を立てられるのですが、その「影武者」(辰巳満月さんと辰巳龍子さん?)と小龍さんが入れ替わるのが、嘘でしょう?というような速さ。「影武者」が筵を巻いたと思ったら、次のしゅんかん、出てくるのは小龍さん。えええ?さっきの人はどこへ行ったの〜〜??鮮やか、お見事。裏方、どうなってるんでしょう???見ている方はもうついていけません〜@@
全員が、すごい!!

 

 山家屋清兵衛役 小泉たつみ座長

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いかにも良家の人という風を醸し出しつつ、人を食ったところも覗かせる。急病から舞台復帰4日目。舞台人としての気骨、意思が、ほとばしる。。このギフトを、どう受け取ったら良いのだろう。感動してる場合かどうかも、正直わからない。ただ、ただの1客として、ただ。見るばかりで、、

 

鬼門の喜兵衛役 小泉ダイヤ座長

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「髪結新三」でもそうだったように、いなせで脛に傷持つ若衆が、本当によく似合う。お六との夫婦タッグが、人間味が溢れてて、チャーミングで。よかったなあ。

善六役 嵐山瞳太郎さん

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悪メイク、さいこうでした。コミカルさが冴えわたる、おかげでぜんぜん悪く思えないんです。個人的に、七変化の次に、強烈に印象に残ってしまった善六さんです(舞踊「雪燃えて」この孔雀の着物、好きだなあ)

 

鈴木弥忠太役 宝良典さん

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心底怖い悪役の時もあるのですが、今回は翻弄される場面が多く、業の深さが丸出しな分、憎めなくて。つい加担しながら?観入りました。善六とともに、お芝居を引っ張る

 

嫁菜売りの久作役 大蔵祥さん

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(写真は別の日の舞踊から)

折り紙を取り返さんと善六が何度頼んでも「これはもう買い手がついたものだから」と頑なに拒む、まじめな百姓。 もしも久作が、善六と交渉して譲ってしまったら、物語はここまで広がらない。久作は、後半、お六と喜兵衛を窮地に追い込んでしまう。朴訥な人柄なんですが、なかなか引っ掻き回してくれるんです

 

 

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 劇団屈指のキラーコンテンツ(と個人的に思っている)両座長の相舞踊 この日は「春夏秋冬屋形船」 

いつもは頑張ってメモするところ、追いつかなくなり、途中からはもう、目の前に繰り広げられる舞台に、ぼう〜っと、酔いしれていました。歌舞伎の知識があれば良いのですが、ううう。「早変わり」だけじゃなくて、ストーリーも凝っていて、そうきたか〜と、うなりながら見ていたのですが、ひとに聞かれたらとても説明できるものではなく。。次回の上演を待つことにして、今回は中途半端なレポートですみません(舞踊の写真も全ての方を載せきれず申し訳ない)、そのお芝居のあとの舞踊ショー、ラスト舞踊が。

 

ラスト舞踊「出雲阿国〜木蓮の涙」

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さっきの、八面六臂の役者さんが、ただ一人の女となり

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もう逃げも隠れもしない

愛しいひと 名古屋山三の影とともに 夢幻の世界へ

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全く違うかもですが、、、
「お染久松」と、この舞踊は「対」のもののように思えて

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泣かせる舞踊ではないはずが、なんでかな、涙がこぼれた

 

「劇場」に、血が通い、気が注がれて

 

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ぐんぐん熱を帯びてゆくのを 目の当たりにしているような

 

すごすぎる。ありがとうございます。

 

 

たつみ演劇BOX 皐月公演@朝日劇

5月1日から30日のお昼の部まで

お昼の部:12時から 夜の部:17時から

観劇料:1800円 前売り券:1600円

劇団情報

tatsumibox.com

 

劇場情報:

日劇場 大阪市浪速区恵美須東2-2-5 

地下鉄御堂筋線『動物園前駅』下車より徒歩5分
地下鉄堺筋線恵美須町』下車より徒歩5分
JR環状線新今宮駅』下車より徒歩5分

www.hashimototochi.co.jp

 

 

 

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