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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年5月18日昼の部 劇団秀@庄内天満座 お芝居「利根に泣く子守唄」

2回目の観劇になる劇団秀さん お芝居は「利根に泣く子守唄」

利根の大親分・笹川重蔵と、その身内の若い衆・峯五郎を主人公に描いた時代人情劇。1幕3場・1時間25分。

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笹川重蔵親分役 千澤秀座長

あらすじ(冒頭の部分)

(メモより書き起し、名前の漢字は当て字です) 

峯五郎(錦連座長・ゲスト出演)は元渡世人。利根の大親分・笹川一家にわらじを脱いでいたが、先代の娘・お藤(月夜ノほたるさん)と恋仲になり、駆け落ち同然で一家を出て、日雇い人足をしながら暮らしていた。子宝に恵まれたものの、お産後お藤は病の床に。薬代を借りた先が、小見川の親分(花咲竜次さん)だったのが運のつき。初手からお藤が笹川の娘と知ってのこと、現・笹川一家の親分である重蔵(千澤秀座長)に喧嘩をふっかける機会を探していたのだ。峯五郎の留守を狙って、催促にやってきた見川親分と若いもん(田口佳幸さん・一原タクさん)に、蹴られたことから、お藤は死んでしまう。

峯五郎の妹のお峯(小鳥遊歩哉音さん)が、子守から戻る。お峯は目が見えない。義姉の異変に気づいて愕然とする。そこに仕事から帰ってきた峯五郎、お藤の仇討ちを決意。ただ、目の見えない妹と赤子を置いては邪念が起きる。お前たちの命を俺にくれ。自分も後から逝くからと。うなづく妹に、念仏を唱えさせ、刀を振りかざした時、止めに入った者があった。笹川重蔵親分の名代で、さんじゃ参りから戻る道中、降ってきた雨から、図らずも峯五郎の家の軒先を借りていたお清(小鳥遊杏季乃さん)が、一部始終聞いてのことだった。

お清は、哀れな3人を、笹川一家に連れていくことにするが、果たして、妹を奪って出て行った峯五郎を、重蔵親分が受け入れるのか。それぞれの運命は。。

 

感想など

お芝居中、すすり泣きが隣りから後ろから。庄内天満座に詰め合わせたお客さん、皆泣いていたのではないでしょうか。舞台の上も同じ、重蔵役の座長はじめ、涙を流しての大熱演。わたしも泣きすぎて、しばらく目が痛くなってしまった

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千澤秀座長 舞踊「お梶」 この時も、後半、涙がひとすじ。お花をつけようとしたお客さんが舞踊が終わるまで待っておられて、気づいて慌てて駆け寄る座長。熱のこもった舞踊でした

 

「よかったわ〜」お芝居の後の口上挨拶に出てきた座長に、お客さんがたが声をかけていました。こういうムードもまたたまらん感じ。

特選狂言とは言われてなかったのですが、1時間25分という、通常1時間のところ、大幅に超えての上演。でもその長さを感じませんでした。


いいなあと思ったところがたくさんあって、書ききれないのですが、いくつか、、、

秀座長の重蔵親分が、泣かせるんです。重蔵を前に、顔を上げることができない峯五郎に、ひとこと、こう言うのです。

「妹が、世話になったな」と。

一瞬驚く峯五郎。

客も同様に。ええなんで?と。

「ヤクザから足を洗って堅気になる。なかなかできることじゃない。痩せたな‥苦労したろう」と、情感こもる太い声で。

ああ、わかってくれている・・・この言葉、どれだけ嬉しく響いたやろうか。

改めて重蔵親分の器の大きさをかみしめる峯五郎(と、客。笑)

 

今月特別参加されている錦連座長(劇団絆)峯五郎役

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一途で健気な若いもん、そしていい男という役がぴったりな姿の好い御仁
第3場では白装束、男前十割増し!

 

主人公二人をしっかり支えるお清姐さん

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小鳥遊杏季乃さん 粋で熱い女渡世人

 

と、笹川一家の若いもんケイスケ。 

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小鳥遊瑠里音さん。1回見たときからすっかりファンに。
今回も見事な狂言回しで、重いお芝居を和ませる、すてきな女優さん

 

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お峯役 小鳥遊歩哉音さん
お芝居のタイトルにある「子守唄」は、お峯が歌う

わたしは、密かにこのお芝居の核と担っているのは、ケイスケと、このお峯ではないかと思いました。

あまり頭が良くないとされるケイスケが、ここぞという場面で機転を利かせる。お峯は、目が見えないことで周りから守られているようで、実は全てを感じ取り、みなが道に迷わぬよう守っているのは、お峯の優しさと強さではないだろうか。

立場で言うと弱い側の二人を、みなの芯に据えて見ると、一層感じ入るところが多いです。

 

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お藤役 月夜ノほたるさん
最初の場面のみの登場ですが「子守唄」とともに皆の心に。 

 

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小見川の親分役 花咲竜次さん めちゃ悪役。最初から最後まで徹底して悪い役。
徹底して悪くして、お芝居を引き締める役。

 

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ワルい小見川一家の若いもん・田口佳幸さん(左)・一原タクさん(右)
舞踊では打って変わって、朗らかで気持ちのよいご両人


もう1つ、大事なところ:劇団秀さんの立ち回りのスピード、早っ。迫力。初めて見た此花演劇館で、小規模なハコでは舞台スペースは限られており、向き合って刀を出せば既にぶつかりそうな距離。それでもシュシュシュッッ!と、すごいスピードで刀を交わす。演じている方はさぞ怖いに違いない、でも、ためらしなしに。もちろん今回もたっぷり。こわーっと言いながらも、魅せられました。

立ち回り、大事。たとえ人情劇であっても、ここがビシッと決まるかどうかで、お芝居全体がぐっと迫るものなる。そう考えるようになってから、どんどんチャンバラ好きに・・笑

 

劇団秀では、ミニショー終了後に、メンバー紹介をされます

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こういう配慮もいいなあと思う

 

幸せ街道

青空のしたの「送り出し」

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そろそろ暑くなってきました。

お客は軽装ですが、舞台衣装の役者さんは汗だく。
それでも笑顔で見送ってくださる。

駅までの道をぞろぞろと歩く、庄内天満座の常連さん方が「ええお芝居やったなあ」と、口々に言われるのが聞こえました。お客さんの嬉しそうな声に溢れる帰り道は、私的「第二の送り出し」だったりします。

幸せ街道、と名付けたくなるような。

ぞろぞろ、ぞろぞろ。

端から見たら、気楽で阿呆なオバチャン集団に見えるかも。。。
まあ実際そうかもですが笑

でもね、みんなそれぞれ苦労もあって、いろんな思いを背負っててね。
でも、その分、幸せも、いっぱいなんやで。。。

 

大衆演劇では、貰うものが多すぎて、言葉にならなくなる。

綺麗なだけじゃない。

全部あって、だからいい。大好きです。

 

劇団秀 5月公演

5月15日から27日まで 庄内天満座
昼の部:12時から 夜の部:18時から
豊中市庄内東町2-3-11
電話:06-6333-4480
阪急宝塚本線庄内駅」から徒歩1分

5月29日 なんばスイスホテルディナーショー

6月公演は大分県きつき衆楽観とのことです

  

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