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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年3月14日 お芝居「晩鐘」本家真芸座@十三遊楽館

大衆演劇 本家真芸座

先月のお芝居の事を1ヶ月遅れですがやっとこ書きました:
大阪での仕事前、お昼の部のミニショーとお芝居を観劇。舞踊ショーは見られず

(あらすじ)

人情現代劇。1幕1場、65分。

(以下、メモより書き起し、名前の漢字は当て字です)

舞台は粗末な民家。

下駄職人の為三(片岡大五郎座長)は、真面目で働き者だったのに、今ではろくに仕事もせず、酒びたり。酔っ払って帰ってきては、妻のお静(矢島京子さん)に、当たり散らす毎日。それでも、お静は、娘のおきみ(片岡小梅さん)とともに、いつか昔のような優しい人に戻ってくれると耐えている。ある時、為三の酔った勢いでの暴力が、とうとう、おきみの顔に、焼ごてを押し付けるという非道に及んでしまう。お前は本当の俺の娘じゃない。逆らうとどうなるか、見せつけてやると・・・

為三が再び酒を飲みに出た後、一人の男(片岡梅之助総座長)が道を尋ねてやってくる。その男こそ、かつてのお静の夫、おきみの父親、松吉だった。数年前、諍いから人を殺めてしまい、服役していたところ、日中平和友好条約締結の恩赦で、出所できたという。

驚くお静。実は、松吉が刑務所で死んだと聞かされ、自分も後追い死のうとした時、助けてくれた為三と、二度の所帯を持ったのだと、泣く泣く打ち明ける。

松吉は、ショックを受けるも、お前たち二人が幸せならばそれでいい。そう言って、去ろうとした矢先、為三が帰ってきて・・・ 

 

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松吉役 片岡梅之助総座長 同日のミニショー「お前に雨宿り」
背負っているものの重さと強烈な孤独。松吉の、罪を犯した者が持つ「心の荷」の重さに比べ、手持ちの荷物は、たった1つ、娘への着物だけ。。股旅芝居じゃないけど、やっぱりどこか股旅的で、ひたすら格好良い風情

  

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為三役 片岡大五郎座長 写真は同日のミニショー「暖簾」より
優しいけれど不器用な為三の孤独と不安がヒリヒリ伝わってくる独白
お芝居の冒頭での「サーカスの真似」が秀逸!もっと見たかった〜笑

  

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お静役 矢島京子さん 写真は同日のミニショーより(曲名分からず‥)
京子さんの絞り出すような深い声と演技に いつも胸が熱くなります

 

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おきみ役 片岡小梅さん(3/20の舞踊より)
どんな時も為三を父と慕うおきみ。その無垢な愛に二人の男は救われる。。。泣かされました

 

(感想など)

またまた1幕1場で、それぞれの演技に心を掴まれてしまうお芝居。

幾重にも悲しい出来事が詰まっていて、考えさせられることがたくさんありました。

和装から洋装が主流になり、下駄を履く人が減り、仕事がなくなってゆくというような、時代の移り変わりの世知辛さ、不安から酒を煽るようになるのは、今も昔も変わらなくて。

そんな時代の混乱、届かない社会保障、アルコール依存、DV、、、すべてリアルに起こっていることだと思う。本当に、どうしたらいいのだろうか。重いです。

後半、それぞれの思いが明かされ、「そういうことだったのか」と、解けたとき、見えなくなっていた優しさが光のように差して、悲しいながらも、少し救われるのでした。

 

鐘の音 塀のなかで

タイトルの「晩鐘」、意味深な感じですよね。このタイトルが気になって出かけたのでした。

お芝居の中で、ゴーン、ゴーンと、近くのお寺からだろうか、夕刻を告げる鐘が鳴る。

その鐘の音は、松吉が刑務所のなかで 「二度と過ちを繰り返すな」と諭されたときに、聞いた鐘の音と重なり、松吉のカッとなって振り上げた包丁を、止めてくれるのです。 

 

このシーンを見て、思い出した1冊の写真集

「ニッポンの刑務所30」(外山ひとみさん著/写真)

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この中の「つぐないの碑」の写真です:
 

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受刑者が望んで建立されたものだそうで、毎日、拝んでいるそうです

 

もう1枚 塀の中のお花見

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「談笑」は無し 

黙ってお弁当を口に運ぶ、それぞれの眼の前に、ただ咲く桜

 

鐘の音も、桜の花も

どんな立派な言葉よりも、その人の心を

支えてくれるものになるかもしれないと・・・

「五感」というものついて、考えています。

 

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