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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

「はぐれコキリコ」演歌から見える風景

演歌「はぐれコキリコ」は、大衆演劇の舞踊でもよく使われている歌です。


はぐれコキリコ(歌 成世昌平/作詞 もず昌平/作曲 聖川湧)

"立山に両の掌合わせ せめて便りが 噂が欲しい
まだ未練たち切れないと なぜなじる 越中 雪の湯の町で
おんなが歌う ああ はぐれコキリコ "

 
町を出てしまった男性を慕う女性の歌、というところでしょうか。

こちらのサイトに詳しい解説が書かれてあり、ふむふむと読みました。

 

しょっちゅう登場する歌なので、これまでも何度も聞いて(観て)いたのですが、先日、本家真芸座の片岡梅之助総座長の舞踊を観た際、ふと3番の歌詞が、耳にとまりました。

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"盆が過ぎ 笛の音太鼓 それに鍬金きくたび想う
ふるさとを見捨てた人の 身の上を "


1番の歌詞からは恨み節な印象を受けたのですが、3番では、出て行った男の身の上を心配しているんです。

なんと。。。

また、女性の目線の歌詞なのに、「立ち」(男性)の舞踊だったんですね。

 

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なんで女形じゃないのかなーと思っていたのですが、、、もしかしたらこれは「出て行った男」の姿 を舞ったものなのかもと思いました。

 

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つまり、この舞踊は、女性の夢のなかの、ゆくえ知れずの男の姿。

勝手な想像ですが、そう思うと、いっそう夢の世界に。

 

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扇に添えられた手が、扇の一部のようにうつくし
舞の名手による 耽美きわまる3分間。。。
そして、いま気づきました、衣装の柄が雪の連山。
コキリコの里、立山連峰に合わせて、でしょうか

 

 

土地土地の風景に心象を重ねる歌世界 

若い頃パンクロックが大好きだった自分が、まさかこんなにしみじみ演歌を聞くとは思わなかったです。

いま、仕事で関わっているまちかどの歌のコンテストは、一般公募で幅広い年齢層の歌い手が出場する楽しいコンテストで、その審査員の1人が「最近の流行歌は、『自分メッセージ』なものが多いけれど、昔の流行歌は、風景を歌ったり、社会的な視点のものが多いですね」とコメントされたことがあり、 なるほどと思いました。

 

演歌にも、もちろん、自分メッセージのものもありますが、わたしは、この「はぐれコキリコ」のような、その土地土地の風景が歌いこまれたものや、少し寂しい・・・寂しさからやさしさが湧き出る歌が、とくに好きです。

風景や状況描写から心情にせまる、俳句的視点な歌も。

そんなこんなで、演歌を聴き込むこのごろ。車を運転するときも、以前はロックのヘビーローテーションだったのに、NHK-FMの懐かしの歌番組や浪曲タイムとか聞いてたり笑。でも、聞けば聞くほど「すげー」と思うこと多しです。

わたしにとって、大衆演劇はあたらな歌の世界への入り口でもあるのでした。

 

 

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