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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年2月21日 夜の部 劇団花月 お芝居「金山情話」@琵琶湖座

大衆演劇 劇団花月

先日、舞踊「おさん茂兵衛」について書きました劇団花月さんのお芝居編です

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(舞踊ショーで客席から登場の一條こま座長「時の過ぎゆくままに」)

 

日曜の夜の琵琶湖座。いっぱいのお客さま。
お外題は「金山情話」でした。

 

(あらすじ)

家出の兄が故郷に戻ってきたところから始まる、家族の人情劇。
1幕1場、65分。

舞台:田舎の粗末な民家。

松吉(一條こま座長)は、病気で動けない母親(星てる美さん)と二人暮らし。真面目に働くも、米屋の支払いも滞りがちの貧しい状態。それでもお互いいたわり合って暮らしている。 

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松吉役 一條こま座長

 

そこへ、数年前に家出したきり音沙汰なしの兄の松次郎(一條みのるさん)が、ひょっこり帰ってきた。

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松次郎役 一條みのるさん

 

立派な羽織を着ている松次郎。
おっかさん、聞いてくれ。おれだって苦労したんだ。江戸へ行ってもおれのような田舎者は誰も雇ってくれず、困っていたら、中丸一座の太夫に助けられ、そこから役者修行をして、いまでは一座の座長になれたんだ。

そうかそうか、ならば、今度村で一芝居打ってくれないか。

ああ、お安い御用だよ。ところでおっかさん、俺も1つ頼みがあるんだ。金を貸してくれないか。20両でいいんだ。一座のために金が要るんだ。

何言うとるんだ、うちにそんな金はねえと、突っぱねるが、母が目を離したすきに、松吉が持って帰ってきた給金の入った財布を見つけて、懐にしまう。

ほどなくして、中丸太夫(美咲良太郎さん)がやってきて、座長である松次郎が急にいなくなったので、公演ができず困っているという。情け深い太夫の説得にも、がんとして応じない松次郎に、太夫はとうとう三行半をたたきつけることに。 

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中丸太夫役 美咲良太郎さん

 

「どうしても帰らないというなら仕方ない。ならば、お前に用立てた20両を返してくれ。さもなくば番所に来てもらうしかない」

それを聞いた松吉は、自分がなんとかすると言う・・・

 

 

(感想など)

こま座長演じる松吉は、もう、もどかしくなるくらいいいヤツで、兄が大切なお金を持ち出しても、太夫の説得に応じない態度を見ても「何か深えわけがあるんだろう」と、ひたすら許しつづけます。

働きもので優しくて、困ったチャンの兄によって窮地に立たされてもなお、庇おうとする。もう出来過ぎなほど「いい子」。

なので、途中、見ていて「ありえん。。。いくらなんでもそこまでいい子おらんやろ」なんて、思ったほどでした。

しかし、じつはこの「どこまでもいい子」であることが、このお芝居のポイントであり、松吉が徹底的に「いい子」であるのには、理由があったのです。

ラストは、時雨。

松吉が、背を向けたまま言う「おっかあ、1つだけ、聞いてもいいかい…」

もう涙涙。お芝居の世界へすっかり引き込まれてしまいました。

 

琵琶湖座の客席と劇団花月の公演で思い出したこと

日曜の夜、客席はほぼ満席。お風呂に入ってくつろぎムードの家族連れ、小さな子もいて、今回の「金山情話」決して派手ではない、淡々と、笑いもほとんど入れずに、すすんでいくお芝居を、ほとんどの方が集中して観てはりました。 

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 口上挨拶の際、こま座長が「客席からすすり泣く声が聞こえて、わたしも泣いてしまいました」と言われました。

うんうん。ほんとうに、あったかいとはこのことかという、よい時間だったー。

「座長、よかったよ!」と客席からも、声がとんで。

月の半ばを過ぎ、お馴染みさんになっている方も多く、地元のかたからとても愛されている様子。そんな琵琶湖座の客席に座っているうちに、はじめての大衆演劇を観たときのことを思い出しました。

「ああ、あのときも、こんな感じやったなあ」ーー

人情芝居に、こころを任せて、泣き笑い。

向かいに座った小さな子の、湯上りのツヤツヤほっぺから、石鹸の香りがふわっと届いて、なんだか夢心地に。

 

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こんなんもありました「座長御膳」楽しい月替りメニュー

 

劇団花月の魅力

初めて観た劇団花月さんは、とても魅力的でした。若い役者さんばかり、でも、なんだかとても懐かしい感じがしたのです、わたしが初めて大衆演劇を観たときのことを思い起こさせるような。もう二十年以上前のことですから、そのときまだ生まれていないような方もいらっしゃるというのに。不思議ですよね。 

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山神眞行(やまじ まこ)さん 15歳とのこと

 

わたしが感じた劇団花月の魅力を、「そうそう、ほんとそんな感じ!」と膝を打つ文章を書かれているブロガーさんがおられたので、記事から少し引かせていただきます:

 

「恭介ん家」さんのブログ

"大衆演劇界は座長や花形の男役者さんが
人気を牽引している世界。

劇団花月なんて、男座長じゃないし、

男の女形もめったにないし、

キュンとするような
ハグでの写真撮影もないし、

笑えるコントより泣ける芝居が多いし、

扇子や刀を器用に廻す人いないし、

入団間もない劇団員は同じ曲ばっかり踊るし

ド演歌ばっかりだし、

太鼓叩かないし、

三味線ひかないし、

オロチ出てこないし、

お駄賃あげたくなるような幼い子役いないし、

大人顔負けなぐらいの芝居や舞踊が
上手な小学生の子役いないし、

会場にガチャ置いてないし、

ほんと、そういう物差しで測ると

世間的には魅力の薄い劇団なんですよね…。

 でも、

100回以上観てるんですよね。
好きなんですよね~


いいんですよ~~
劇団花月がまた見たくなるんですよ…

芝居上手だし、舞踊上手だし、

みんな素敵だから…

 

 

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群舞がびしっと揃っていてかっこよかった〜 

 

劇団花月さん公演予定(口上より)

とのこと(三重県なら行けるかな〜)

 

 

 

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