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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年2月10日 お芝居「夏目の新助」森川劇団@オーエス劇場 森順平さん誕生日公演

2016年2月10日 夜の部、オーエス劇場(大阪市西成区)の森川劇団、この日は森順平さんの誕生日公演で、お芝居は「夏目の新助」でした。

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(あらすじ)

弟・小十郎の人斬りの罪(実は死んでない)を背負って、兇状の旅へ出た新助と、家族との葛藤を描いた股旅人情劇。(1幕3景・約1時間)

 

第1景 神社の前

権次の親分(二代目森川長二郎さん)は大店の娘おなつ(森川なみさん)に惚れているが、おなつは但馬屋の長男新助(森順平さん)との祝言が決まっている。

 

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おなつ 森川なみさん しっとり個人舞踊

 

あきらめられない親分は、何とか俺の女にできないかと、子分の鶴吉(森川竜馬副座長)と亀蔵(森慶次郎さん)に相談。

難癖つけて、悪いうわさが立つようにしむけ、破談にしてやりましょうぜ。

 

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森川竜馬副座長 めちゃおもしろかった〜 悪いやつなんだけど憎めない鶴吉 

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森慶次郎さん演じる亀蔵も 悪役なんだけどどこか憎めない。
森川劇団のお芝居では子分たちが元気でチームワークがよい感じ


 

おなつと一緒に歩いてきた新助の弟の小十郎(森一心さん)に、からむ子分たち。
振り払おうとした小十郎、誤って鶴吉を刺してしまう。

 

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小十郎 森一心さん 第二の主人公 

 

そこに新助が来て、自分が罪を背負って兇状の旅に出るという。
自分がいないあいだ、但馬屋のことを頼むと言い残して。

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主役 夏目の新助 森順平さん

 

第2景 但馬屋

3年経過。切られたはずの鶴吉は生きていた。幽霊の格好をして、死んだことにしている。せっかくうまくいったと思ったのに、おなつは新吉の弟の小十郎と一緒になっちまいやがった。

親分があきらめないので、子分たち、しつこく様子を伺っている。

新助が帰ってきた。一本刀のヤクザ姿。

笹川の繁蔵親分に助けてもらって、いまでは身内に。すまねえ、おっかさん。

謝る新助に、母(森川竜二座長)は許すという。しかるどころか、褒めてやると。

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母役 森川竜二座長


喜ぶ新助。

今度大きな出入りがあり、今生の別れになるかもしれねえ、その前におっかさんに一目会いたくて戻ってきたんだ。

涙ながら迎え入れる母。

それに対して小十郎は冷たい態度。。。

いったい誰をかばって、凶状持ちになったと思ってるんだ。

母の連れ子だった俺に、死んだお父っつあんは、我が子のように優しくしてくれた。そのお父っつあんに、せめてもの恩返しと思って、罪をかぶったんだぞ。。。

怒りと悲しみを堪えて、立ち去ろうとする新助。

そこへ、おなつが権次一家に連れ去られたとの知らせ。

「兄さん、助けてください!」と小十郎。

なんで俺が、と新助。

しかし、母にまで涙ながらに頼まれては、放ってもおけないーー

 

クライマックスは第3景。さあどうなる??

 

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 新助、小十郎、やっぱり兄弟

 

19歳の「夏目の新助」

「夏目の新助」これは劇団オリジナルなのでしょうか(「夏目小僧新助」とは設定が違うので)。笑いどころ見どころが詰まって、最後にほろりとさせられる。家族愛と股旅姿と太刀まわりまでたっぷり楽しめて、大衆演劇らしい、いいお話でした。

森順平さんは19歳、森川劇団に入団して2年半とのこと。

堂々とさわやかな新助で、とくに最後のシーンが沁みました。

新助が花道へはけるのですが、二三歩踏み出し、一瞬立ち止まって、舞台を振り返るのです。

そのとき、すでに幕が降りていてーー 誰の姿もない。

あわてて戻る新助。降りた幕の前に立ち、ひとり、涙をぬぐいます。そして再び顔をあげ、花道を歩いてゆく。。。

この間、セリフなし(節劇)で、歌が流れます:

"堪えた涙が無駄になる 黙ってゆかせなよ せめて男が決めた道…"

映画のエンドロールを思わせる、いい演出やなあと思いました。

 

 

 「誕生日公演」のこと

大衆演劇における誕生日公演のことを、不思議な文化やなあと思っていました。

お祝いされる側が、お芝居やショーでもてなしてくれて、プレゼントまで配ってくれたりするのですから、通常のそれとは逆なんじゃない?と。

 

ある劇団員さんが「年中巡業しているので、メリハリがなく、誕生日くらいしか、節目がなくて」 と言われるのを聞いて、なるほどと思いました。

いつもは座長が主役だけれど、この日ばかりは誕生日主が主役。チャレンジデーでもありますよね。また、いつもと違う舞台にすることで、興行的に盛り上げようという目的もあるかなと思ったり。

 

毎月たくさんの誕生日公演。少ないながらも参加させてもらうたびに(誕生日公演の場合「観劇する」というより「参加する」と言った方がしっくりくるような)、さまざまな創意工夫がほどこされ、客席にご家族が駆けつけておられたり、他劇団の役者さんがサプライズで登場されたり。

 

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ファンの方にプレゼントされたケーキにろうそく灯し「ハッピーバースディ」を歌うのも、すっかりおなじみの光景 

 

「誕生日」をきっかけに、役者人生を振り返ったり、「これからどうなりたい?」と目標を言い合ったりするなかで、当人、そして周りのかたがたの思いや、素顔の一面を垣間見られて、ひとりじーんとしてます。

 

今回は、長く森川劇団を応援されている方に誘ってもらって参ったこともあって、不慣れな者でも仲間気分が味わえて、うれしかった〜。

 

10代の役者さんが見るたびに着実に成長されていて、いわゆる「元気もらえる」という言葉がぴったりな。。。ハジけてるけれどチャラけてなくて、筋がよい印象を受ける劇団。

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森川とっぴんさん 11歳ですでに芸達者の域

 

そんななかで、座長&副座長コンビが、じつは一番元気かも

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 口上挨拶 座長と副座長が言いたい放題 めちゃ楽しい

 

森川劇団さん公演

2月 オーエス劇場(大阪市西成区)

3月 天然温泉ゆの蔵(門真市

 関西公演がつづくのでまた行きます

 

 

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