chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年1月8日お芝居「飛車角ストーリー」紅劇団@オーエス劇場

お芝居は「飛車角ストーリー」
任侠映画「人生劇場」の登場人物・飛車角こと小山角太郎に焦点を当てたお芝居。
主演は紅あきらさん。

f:id:chomoku:20160119064300j:plain

飛車角こと小山角太郎役 紅あきらさん(同魂会会長)

(あらすじ)1幕3景 60分

大正時代の東京。元やくざの宮川(紅大介総座長)とおとよ(紅ちあきさん)が営む居酒屋に、篠原一家(見城たかし後見)がむかしの因縁つけにやってきて、死んだ親分の香典代に50円支払えという。お金を用立てるために、雨のなか、出て行くおとよ。

f:id:chomoku:20160119064031j:plain

宮川役 紅大介総座長

 

f:id:chomoku:20160119064223j:plain

おとよ役 紅ちあきさん

 

入れ違いに一人の男がやってきた。「飛車角」。宮川の兄貴分で、篠原一家の先代を手にかけた罪で服役し、恩赦を受けて出所、2世を誓った間柄のおとよの元へ、帰って来たのだ。

「おじさん、だあれ?」と男の子(紅なるみさん)が迎える。その子の名は「角次」。宮川夫婦の子として育てられているが、飛車角とおとよの息子。 

f:id:chomoku:20160119083306j:plain

角次役 紅なるみさん

 

おとよは、飛車角が獄中で死んだと聞かされ、絶望していたところを、宮川に支えられ、今では夫婦となり生きてきたのだったーー。

お芝居は、映画「人生劇場 飛車角」とは少し異なる設定。「吉良常」は登場せず、あくまで飛車角と弟分らとの間に焦点を当て、それぞれの人間像に迫りながらすすんでいきます。

 

第2場は弟分の金治が営む旅籠屋。

宮川のところから身を引いてきた飛車角を、歓待する金治夫婦(紅秀吉座長・美咲さん)。しばらくと言わず、ずっといてくだせえ。

f:id:chomoku:20160119064426j:plain

金治役 紅秀吉座長

 

そこへおとよが現れる。篠原一家に脅かされている、身勝手な頼みとは承知です、どうか助けてください、と。宮川も泥酔状態で乗り込んでくる。おい、ひとの女房と二人きりで会うとはどういうことだ。怒りをぶちまけ、喧嘩をけしかける宮川を、黙って堪える飛車角。ここで自分が受けてたてば、うちで待ってるあの子がかわいそうだと・・・。

 

第3場は町外れの柳の木のした。

篠原一家と向き合う飛車角。宮川の店を脅すのをやめてくれという飛車角の頼みを聞き入れない。それじゃあどうあっても頼みは聞いてくれないですか。ああそうだ。ならば手荒なことはしたくないが仕方ない。飛車角は匕首に手をかける・・・

 f:id:chomoku:20160119064550j:plain
篠原一家二代目 見城たかし後見(お芝居のあとのこの笑顔)

濃厚な60分

登場人物一人一人のドラマがぎゅうぎゅうに詰まった濃厚な1時間。飛車角のあきらさんの醸し出す圧倒的な存在感、孤高の風情。そして、酔わずにおれない宮川も、ひたすら気の良い金治夫婦も、運命をひたすら受け入れ生きるおとよも、登場人物ひとりひとりに、こころを揺さぶられながら見ていました。

みな、懸命に生きている。
こういうお芝居を見ていつも思う「誰も悪くない」と。そこに泣かされてしまう。

 

にやけてしまうかっこいい台詞の数々

物語を牽引する、飛車角のセリフ。身体に刻み込まれた厳しい人生訓から、吐き出される言葉の数々。いつものようにたくさんメモをしながら聞いていました。最後の方はもう手が止まってしまって、うろ覚えになってしまいましたが、いくつか:

「土砂降りの雨の、お出迎えかあ」(宮川の店を去る時)

「喧嘩はいつでもできる。じっと耐え忍ぶのも、男道だと思ってます」

「(角次に)親にとって子は宝だ。そのお前が、やさしくしてやりゃあ、どれだけ嬉しいか」

大詰めのセリフには、もう、こころのなかで「ぎゃああ」と叫んでしまいました。ばたっ(胸を射抜かれて倒れる音)。これは書かずにおきます。ぜひ生の舞台を観て、聞いて、紅版・飛車角男道に、酔いしれていただきたい! です。

f:id:chomoku:20160119064746j:plain

紅あきらさん 花道から登場「網走番外地」から「新宿銀次」
お芝居のアンコールのような舞踊

 

(2016年1月 紅劇団 オーエス劇場公演
 1月19日休演・1月30日千秋楽とのことです) 

 

 

 

 

 

Copyright © chomoku All Right Reserved.