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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2016年1月7日お芝居「花ざくろ」紅劇団@オーエス劇場

1月7日 紅劇団公演@オーエス劇場大阪市西成区)夜の部へ。
お芝居は「花ざくろ」松竹新喜劇の有名な演目で、わたしはオリジナルを見たことがなく、大衆演劇でも今回が初見でした。 

(あらすじ)

植木職人の夫とその妻を中心に描かれた人情喜劇。

三次郎(紅大介総座長)は、働き者で腕の良い植木職人だが、仕事以外のことは、まったく不器用で無頓着。とりわけ「女性」のことはさっぱりお手上げ状態。妻の加代子(紅ちあきさん)が、派手な服を着て、家のお金を持ち出しては他の男と遊び歩いているというのに、怒る様子もない。そんな三次郎を、雇い主である緑樹園の親方(紅あきらさん)も心配している。ゆくゆくはこの緑樹園を三次郎に任せたいのに、連れ合いがあの有様では・・・

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三ちゃん役 紅大介総座長

 

あるとき、加代子は緑樹園の支払いのお金にまで手をつけてしまった。今度ばかりは、三次郎が許しても、親方が許さない。二人とも荷物をまとめて出て行け。慌てる三次郎に、売り言葉に買い言葉の加代子が言う。

 

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加代子役 紅ちあきさん

 

「ここ追い出されたかて、あの人のアパートへ行ったらいいだけや」

「なんちゅう女や」と親方。

「せや」と三次郎。

お、とうとう怒ったか?と思いきや、

「狭いアパートに3人も住まれへんやろ」・・・

どこまでも加代子に従う三次郎に、親方も呆れた諦めた。

 

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親方役 紅あきらさん・同魂会会長

 

二人がいよいよ出て行こうというとき、1匹のみつばちが飛んできて、形成が一気に逆転します。

 ・・・と、分かったふうに書いていますが、わたしの後ろの席の方が
「さあ、みつばちや、飛んできたで」
と、つぶやいたので、なるほど、ここからが何かが展開するんだなとわかったのでした。

さて、三次郎と加代子の運命や如何に?!

笑いあり涙あり、紅大介総座長熱演の面白いお芝居。
後日、松竹新喜劇版のDVDを図書館で借りて見直しました。

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「昔ながら」と「程良さ」と

「昔ながら」

三次郎のような真面目で黙々と働く「昔気質の職人」が少なくなった、と、言われます。でも、いい加減なひとは昔からいたし、真面目によくはたらくひとは、今もいるので、このような話は、ふわっとした印象論で、むかしを美化して言われているような気がします。

それでも。このお芝居をオーエス劇場で観たとき、いやがおうでも胸が締めつけられてしまうのは、やっぱりこのような世界が、とても儚いものであると思えてならないからなんやろう。

「名作」と知られたお芝居を、真摯に演じ、舞台を作り上げている役者さんたち。

お客も「じーっ」と、それはそれは集中して観ているんです、もう気持ちのいいほど。

「なんべん観てもいいわ」と、別のかたが言うのが聞こえました。

 

「程良さ」

重すぎず、軽すぎず、日常のひとときから、すっとこころに入り込む。
この程良さは、巡り合えそうでなかなかない。

この日、仕事がいったん片付いて思いたって出かけたので、この程良さがひとしおでした。

気張って観なくていい。委ねることで、連れて行ってもらえるんやーー

常連のお客さんは、ほんとそんな感じで。

わたしなどまだまだ気合いいれて観ているので、そんな境地になりたいものです。

 

こうして書けばまた思い出し、何度でも浸れる。

お芝居と日常が地つづきであることを実感させられた、昔気質の匂いがぷんぷん香る舞台でした。

 

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 オーエス劇場前「送り出し」を振り返って

 

紅劇団@オーエス劇場公演は1月30日までです(休演日19日)

 

 

 

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