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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

マナーモードと「人生劇場」  

大衆演劇の劇場で、お芝居が始まる前、願うことがあります。

それは「お芝居中、どうか携帯電話が鳴りませんように…」というものです。

しかしこの願いは、結構な確率で打ち砕かれます。

マナーモードに設定されていない携帯電話から、鳴り響く着信音。。。

あまりに頻度が高いので、次からこう願うようにしました。

「お芝居中、せめて"いい場面"だけは、携帯電話が鳴りませんように」

この願いが打ち砕かれたときは、かなり辛いです。

 

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「開演に先立ちまして、お客さまにお願いがございます…」

毎回繰り返される場内アナウンス。なんで守れないのか。はじめはプンプンしていたのですが、一向に改善されないので、その理由を考えてみました。

  1. 大衆演劇のお客さんは高齢のかたが多い。その方々は、いったんマナーモードに設定すると、そのままにしてしまって、着信に気づかなくなるのが不安
  2. マナーモードの設定がわからない
  3. アナウンスを聞いていない
  4. 鳴っても気にならない(あまりお芝居を見ていない)


・・・などなどです。

どれも考えられるし、難しいなあと思いました。

となると、こちらの耐性をあげていくしかないということに。

(鳴っても気にしない、気にしない)自分に言い聞かせる。

おかげで以前に比べ、だいぶ耐えられるようになりました。

 

 

さて、先日も、お芝居中に鳴りました。

しかも結構なボリュームで「プルルルル、プルルルル」

わたしの斜め後ろの席のかたでした。

お芝居は「飛車角」、主人公が思いを語っている、いい場面でした。う〜ヒドい。

鳴り響くなか、役者さんは淡々と演じつづけられました。

なかなか止まないので、ちらっと後ろを見てしまいました。

場内の電灯が暗いので「切り」ボタンが探せなかったようです。

ようやく切った。ほっ。

そのかたは、マナーモードの設定が分からないようで、隣のかたに見てもらっていました。

やれやれと、ふたたび舞台に向き直りました。

しばらくして劇中歌に「人生劇場」が流れました。

すると、そのかたが、歌いはじめたのです。

「やーるーと思えば どこまーでーやるさー…」

そのかたは、劇中歌が流れるたびに、歌っておられました。

その歌を聞きながら、、、わたしは思いました。

「ああ、ええお客さんやなあ」

「わたしより、ずっと"お客さん"や」と。

ろうろうと歌われる声に、心が洗われる気さえしました。

 

 

マナーモードに設定しないことは、もちろん、迷惑にあたることですが、そこだけを捕まえて責めてしまうと、この世知辛いご時世に、奇跡のように存在する、大衆演劇の劇場ならではのおおらかでゆるい雰囲気が、ピリピリムードになってしまうのは、残念でもったいない気がしていました。

この日のことで、さらに考えさせられました。

そしてひらめいたこと;

  1. 「差し支えなければマナーモードにしましょうか」と声かけする
  2. 終わってからもまた声かけする(マナーモードをオフに切り替える)

・・・と、いいのではないかと。


実際にできるかどうかは未知数ですが、せめてどうしていいか分からないかたがおられたら、声をかけてみようと思いました。


まあ、そんなことを悶々と考えるよりも、あの「人生劇場」の

「やーるーと思えば どこまーでーやるさー…」

のつづきを、

あの方のように、そらで歌えるようになりたいものですなあ。。 

 

 


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