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"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2015年の観劇まとめ 印象深かったラストショー10選その1(5つ)

2015年の観劇から、ラストショーの10選です。
途中で帰らなければならなかった日もあり、観られたのは175ステージ、そこからの10の舞踊を。選定基準は1劇団3つまでとしまして、それ以外は特に設定しなくても、ラストショーはバラエティ豊か!で、偏ることなく選べました。

以下、番号は便宜上つけていますが、順不同ということで、ご覧ください:

 

1.「大江戸かわら版」三河家劇団@梅南座大阪市西成区)
   2015/5/25(菊乃助祭り)昼の部

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下克上かわら版?

ゲストの沢村菊乃助さんが全面プロデュース?する「菊乃助祭り」はとても楽しい舞台でした。そのラストショーが「大江戸かわら版」で、桃太郎座長、三河家諒さんはじめ劇団全員、菊乃助さんの仕切りで踊る(踊らされる)という。

桃太郎座長と諒さんがハタキを持って(持たされて)群舞パートを踊るなんて、この日限りではないでしょうか。しかもお二人とも、"素(す)"で、一所懸命なんです。
オーケストラが、突然やってきた指揮者に「はいこれ」と譜面を渡されて必死で演奏する‥というイメージが浮かびました。ベテラン演奏家は、余裕のセッションのときよりも、余裕ゼロの必死の演奏のときこそが実力発揮、スリリングでかっこいい。このショーはまさにそんな感じ。
最後、フィニッシュポーズを決める段階で、諒さんがひとり花道で置いてけぼりになっていて、慌てて戻り、間に合った瞬間が、上の写真。最後まで大笑いでした。

 

 

 

 2.「変面ショー&大蛇」劇団春@オーエス劇場(大阪市西成区)
   2015/7/13(ゲスト滝夢之助座長)昼の部

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日中民俗芸能コラボレーション

石見神楽でいうところのヤマタノオロチ「大蛇」は、大衆演劇ではよく登場します。と、さらっと書きましたが、普段なかなか見られるものではないので、それを見てあまり珍しいと思わなくなっているなんて感覚が既にヘン。さらに今回は、ゲストの滝夢之助座長の十八番「変面」とのコラボレーション。客席を回りながら披露される瞬間芸に、気分は中国のまちの路上。皆こどものように盛り上がりました。

劇団春@オーエス劇場公演では、毎回毎回てんこ盛りの内容で、ミニショーでもメインの舞踊ショー並みのラインナップで観せてくれました。この木戸銭(オーエスの前売りは1000円)で、こんなに見せてもらっていたら金銭感覚もおかしくなってしまいそう(もうなってる?)。

 

 

 

3.「男花魁 裏吉原」劇団美山@京橋羅い舞座(大阪市都島区
   2015/12/1 夜の部

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単独ショーレベル

劇団美山のステージには度肝を抜かれる。照明は設備・演出ともにおそらく業界随一、大掛かりなセットを使ったダイナミックな演出はもちろんですが、それ以上に、細部に、、、舞踊ごとに仕替える背景幕、ピンスポットの角度1つに至るまで、隅々に行き渡る気遣いの集大成であると感じます。

ゆえに美山のラストショーは、単独でショーとして成立するのではと思うほど、すごいの一言なのですが、こちら「裏吉原」タイトルだけでゾクゾク。男花魁。こういう世界観は"大衆演劇"の真骨頂では。通常の花魁ショーよりわたしゃあ断然こちらを支持!です。

 

 

 

4.「ザ・フラッグ」劇団菊太郎@千鳥劇場(高槻市
  2015/10/9 夜の部 

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若さ溢れるステージ

若手男性座員が多いのが強みの劇団、若さいっぱいの明るくパワフルなステージは、アイドルグループのコンサートか、どこかのスポーツチームのアトラクションのよう。それらとの違いといえば、、、上の写真中央、菊太郎座長がお子さんを抱いて登場しているところ。こういう光景が珍しくないのが大衆演劇
平日の夜で客席は少なめ、わたし含め全員妙齢以上(笑)の女性で、このド派手なショー。9本の大きなフラッグが一斉に振られると、千鳥劇場の舞台が真っ赤に覆われました。最後はキャノン砲!分かっていても毎回「おおー」と声をあげてしまう。若い方に見てもらいたい気持ちがふつふつ沸きました。十代の娘がいたら絶対連れて行きたいです。
仕事帰りにふらっと劇場に寄って、こんな豪華なショーを見て、それがだんだん普通になってきて、、って、やっぱりその感覚ヘンとしか言いようがないような。。。

 

  

 

5.「梅川忠兵衛」剣戟はる駒座津川鵣汀組@梅田呉服座
  (大阪市北区)2015/2/17 夜の部 

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舞台降りてなお

大衆演劇でよく演じられる人気の演目。この1年でも、たくさんの「梅川」を観せてもらいました。なかでもはる駒座鵣汀組の梅川が、こころに焼き付いています。

梅田呉服座の舞台が1枚の青い絵に。凍りつくような夜の新ノ口村。鵣汀座長の梅川と津川竜総座長の忠兵衛が、客席を通り、彷徨いながら登場。うつくしい親子に、客席からため息が漏れます。追っ手が二人を見つける。舞台は青から「真っ赤」に変わり、立ち回りが始まります。もはやこれまで。2人は、死出の旅へともに参ろうと、首に赤い紐を回す。雪に包まれながら・・・

正攻法で、丁寧に、純粋に。「ええもん見せてもらったなあ」という充足感が湧きあがる舞台。

送り出しで、鵣汀座長が、みなさんと少し離れたところに一人で立っておられたのを見つけて、近づこうとして、一瞬ためらいました。鵣汀座長はまだ、「梅川」だったのです。

 

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あと5つ、年を越してしまいますが、書きますので、ふたたびお付き合いいただければうれしいです!

 

 

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