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chomoku

"大衆演劇が在る状態"が好きなので

2015年12月22日 オーエス劇場 優伎座 お芝居「肥後の正太」

12月22日 優伎座公演@オーエス劇場(大阪市西成区)夜の部へ。
仕事場を出た時間では開演には間に合わず、お芝居までにと急いで移動。ミニショーの最後から見られました。たくさんのお客さんで、熱気むんむん。

お芝居は「肥後の正太」
お昼の部は「上州土産百両首」で、急きょ昼夜お外題替えになったそう。

お外題変わらないほうがよかったな、、と思ってしまいました。というのは、「肥後の正太」とは、大衆演劇の定番「源太しぐれ」と同じお芝居のようだったので。わたし「源太しぐれ」に当たる率が高くて、、もうこの先見なくてもいいくらい見てまして笑

しかししかし、優伎座版、随所に発見があって面白かったです。

「お芝居は2度目からが面白い」

先月、ある座長が口上で言われたこと:
「初めてのお芝居では、ストーリーを追うのにどうしても意識がいくでしょ。2回目は、ストーリーが頭に入っているので、お芝居の細かいところを楽しめるんですよ(だから昼夜見てね!)」

それに対して、わたしは、まあ、ストーリーが混み入ったお芝居なら2回見ないと分からないけど、「源太しぐれ」とかではなあ〜と、思ったのですが、、、いやいや、その座長のおっしゃる通りでした。

(あらすじ)

妻を奪われ命も狙われた正太が、源太に助けられ復讐を果たすはなし
(さくっと言い過ぎ?)

第1場 まちなか 川ばた

肥後から江戸(?)へ出てきた赤子連れの夫婦・正太(英風舞さん)と こさん(英さゆりさん)が、川に飛び込み死のうとするところを、桑名屋政五郎一家の若い衆(英昇龍さん・市川侃汐朗さん)に助けられる。

「こんな俺たちだがよ、頭(かしら)はこの辺りの口入れ屋だ、何か力になれるかもしれねえから、話してみなよ」

正太は肥後の大店の息子。芸者こさんとの仲を反対され、家を出たものの、身寄り頼りもなく、もはやこれまでと。わけを話し終わるとき、暮れ七つの鐘がなる。正太は夜になると目が見えなくなる病を患っていた。

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正太役 英風舞さん すっきりと静かでかっこいい役どころ。「源太しぐれ」では源太が主人公ですが、「肥後の正太」なので正太を主人公として見ると、また違った景色が見えてくる

 

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こさん役 英さゆりさん 写真は別の日の個人舞踊より。
こういう着物がめちゃ似合うイイオンナ!

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「若いもん」役 英昇龍さん(右)侃汐朗さん(左) 「肥後の正太」では、この二人の若いもんが、物語のトリガーとして、和ませ役としても活躍

 

 

第2場 桑名屋政五郎一家

こうして夫婦は助けられたものの、妻こさんの態度は豹変、親分(英虎博さん)と"いい仲"に。邪魔な正太と赤ん坊を亡き者にしようと、結託した二人は、子分に殺しを命じる。そこへ源太(市川英儒座長)が帰ってくる、「源太しぐれ」の定番「赤い襦袢」を着て。

「博打に興じて身ぐるみ剥がされ、歩いてたら馴染みの女が貸してくれましてね。」

お金に窮していた源太は、10両プラス追加の「こども料金」で、正太と赤ん坊殺しを引き受け、正太のいる「目なし地蔵」へと向かう。

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親分役 英虎博さん 虎博さんが演じると憎めない悪玉に。
劇団のみなさんほんとうに芸の幅が広い

 

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市川英儒座長 いつも誰よりもよく動く。オーバーアクションではなく、流れるような所作の1つ1つに引きつけられる。少しハスキーな声も 好きだなあ

 

虎博さんの親分メイクが壮絶で笑いました。眉や目張りがいかにも悪いヤツ。また、「助けた俺たちが、殺すなんてできるわけないでしょう」という子分の正論の返しも。

幕切れ、目なし地蔵に向かう源太が、花道へはけるところ。ヤマを上げまくって「ドヤ感」満載、アホかっこいいと言いましょうか、こういう所作は英儒座長ほんとうに上手いなあ。「はよう行け」と急かされても、しつこくやってて、笑ってしまいました。こういう"お約束"をみんなで共有すると楽しい。定番お外題のいいところかも。

 

第3場 目なし地蔵

「目なし地蔵」の前。正太が目の病が治るよう祈っている。源太が「十万億土からの迎え」と現れる。観念する正太に、刀をあげるも、振り下ろせない。赤ん坊が俺を見て笑いやがる。刃の下は地獄だってのに。ええい、出来ねえ出来ねえ。

さっきまでの冷徹漢から、憑き物が取れたようになる源太。助けただけでなく、報酬の金子も全部正太にやり、肥後へ帰れと促す。後のことは俺が引き受けた。お前は肥後に帰って、病を治し、武芸を磨けと・・・

 

ここで沁みたのは、「ありがとうございます。ありがとうございます」花道を赤ん坊を抱えて杖を頼りに、ひたすらお礼を言い続けて歩く正太の姿と、源太が言うセリフです。

「ここから肥後まで随分ある。辛いだろうが、杖を頼りに、気をつけて行きなせえ。大変な世の中だが、悪いやつばっかりじゃねえ。情けのあるひともいる。そういうひとを頼って行きなせえ」と。

「ひとに頼れ」

これは本当にその通りで。。。言えそうで言えない言葉だと思う。これまで何度も見た「源太しぐれ」では聞いたことがないセリフだったので、これでいっぺんに「見てよかった〜」と思えたのでした。

 

 

第4場 大詰め。3年後の桑名屋一家

源太が杖をついて手をぶるぶる震わせながら登場。正太父子の祟りでこんな身体になっちまいました。盃割って(縁切りして)くだせえ。あっしの代わりに、いい用心棒を連れきましたんで。
そうして颯爽と現れたのが、股旅姿の正太だった。ーー

 

1時間ちょうどのお芝居。
前述の座長の言葉どおり、細かいところをとことん楽しむという新たな境地に行けたこと(底なし沼とも言う?)、何より、優伎座さんの舞台は、一体感があって、、フラットな感じで、いつも「チーム」という言葉が浮かぶのですが、この日も「チーム優伎座」熱く楽しくかっこよく。第3部の舞踊ショーも、こんなに観させてもらっていいの?と思う豪華版でした。

 

第3部 舞踊ショー

いつもテンポがよい優伎座の舞踊ショー
千秋楽前夜祭という感じで 舞台も客席もノリノリ

 

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英儒座長「カサブランカダンディ」 ジュリーばりのパフォーマンス

 

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右 市川侃汐朗さん 左 英れいさん 「女からっ風」

 

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市川静乃さん 「東京アンナ」

 

ラストショー
新作と言われたと思うのですが「女子十二楽坊」に乗せてスペクタプルに

 

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大入りの手打ちで賑やかに幕

送り出しでもお客さん「いやあ良かったわー」と口々に。
平日の夜のオーエス劇場のこの盛り上がり。これぞ劇場!の熱気に浸れるのは、代え難い喜びでたまりません。

千秋楽に行けず大変残念。次の関西公演は2016年4月の八尾グランドホテルだそうです。ここもうちからちょっと遠いのですが、行けたらいいな。。

 
(*記載内容についてわたしのメモの取り間違いがあるかもしれません。
 その際はお詫び申し上げ、随時訂正していきますのでご容赦ください。)

 

  

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